TNデザイン一級建築設計事務所

gunma

建築行脚の記録-4 ぐんま国際アカデミー。 設計は宇野享/CAn+小島一浩・赤松佳珠子/CAt。 この建築は、文句なしに良かった。 見学は出来ないようだったのだが、たまたまいらっしゃった先生の好意で案内して頂いた。 感謝しております。 街並に埋もれるように低い軒先で囲まれながら、明らかに周辺とは違う、ある種異様なオーラを感じた。 なんでもないように見えるが、それは非常によく考えられたものだと言う事が、外観を見ただけで感じられた。 内部空間は、想像以上で子供たちのスケールに呼応するように、慎重に作られているのが良くわかる。 中庭は、非常に心地よい空間だった。 プランは、非常に外部に対して閉鎖的であるがそれを感じさせない。 昨今の事件が反映されているのは当然であるが、オープンスクールの祖を築いた方達なので、その配慮に深度がうかがえる。 ちょうど、初めての学校主宰のお祭りの前日だったそうで、準備で内部空間がにぎやかだったせいで、愛されている建築独特の瑞々しい雰囲気を漂わせており活気があった。 私自身、子を持つ親としてこの学校で学んでほしいと単純に思ったし、子供自身もそう感じたようだ。 「なんだかとっても楽しそう」という子供の言葉が、なにより真実を語っているように思う。 最後に、案内して頂い…

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体感-2

建築と対話をする。 自然と対話をする。 人間と対話をすることは容易い。共通言語を持っているから。 でも共通言語を持っていない他者と対話をするのは、容易ではない。 建築は動けない。それは自然も同じ。 だから、こちらが会いに行く。 会ってみなければ、どんな他者かわからない。 お見合い写真は、もう見飽きてしまった。 新たなる出会いを求めて。 九谷焼窯跡展示館 静かなファサード   顔? 西田幾多郎記念哲学館 住吉の長屋がフラッシュバック。本家よりも太っている・・・ スタルクの椅子が壁面にとけ込む。 この純度に圧倒される。 コンクリートに転写されたレイヤーがこの建築のすべて。 全てを浄化するレイヤー。 格子のレイヤーが重なるごとに奥行きが増してゆく。 宇ノ気町立金津小学校 木造は純度が下がる。それをここまで引き上げるのは設計者の力量。…

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体感-1

先日、建築を体感してきた。 純粋に体感するのは、簡単なようで難しい。 建築は機能があるものだから、その機能が満たしているかどうかは、比較的簡単に判断できる。 しかし、建築と対話をするべく姿勢で感じようとすると、とても一日では判断できない。 そこが、建築の懐の深さであり、奥行きというものだ。 対話する感覚は、その場所に身をおいた者にしか得られないものだろう。 そして、それを磨く事は建築家としてだけでなく、人間としての感受性をみがくことだ。 そこに、芸術の本質があると思う。 なんでもないことが、なんでもなく見える瞬間を大切に。 新たな発見に心ときめかせつつ、感じた事。 TARNSTATION大関 小さな駅で舞っている日常を包む鉄板。 周囲はごくありふれた住宅街に挿入された異質さが心地よい。 HALFTECTURE福井 ありふれた水平線と垂直線に抗うように曲がってしまった。あるいは曲げられてしまったよう。 曲線の美意識を感じる。 福井県立図書館・文書館 自然と人工物の対比は、建築の永遠のテーマ。 色彩の美しさと素材感が際立っている。 自然に負けない自然さ。…