TNデザイン一級建築設計事務所

飯田合同庁舎

打合せまで時間があったので、近くの合同庁舎へ 実は原広司さんの作品。 GAギャラリーにも出展されていたので外観でピンと来ました。 思ったほどではないですが、しっかり原テイストでまとめられております。 内部からガラス塔を見上げる。 エントランスから上部へ視線が抜けているのですがそれが、建物の良さにつながっていないように感じます。 ビルディングタイプとして、こういう空間があまり求められていないように感じました。 とても勿体無いことです。 しかし、それには理由がありました。 シンボルでもあるガラス塔ですが、中に入ることが出来ませんでした。 何のためにあるのだろう・・・機能がよくわからん。 と思っていたところ、よく調べてみると これは、測候所がもともと入るのが条件で設計されていました。 別な場所にあった測候所を移転することが条件に含まれていたそうです。 しかし、測候所の機能というのは、現実には衛星観測が主流でアンテナさえあれば、塔は必要ないそうです。 つまり、この塔はそういう機能的なものよりもシンボルやランドマークとしての意味合いが強いのです。 新しい測候所はここですよと。 それで、建物に入ったときの違和感といいますか窮屈そうなエントランスにも納得が出来ました。塔がないとその辺のビルとの差異…

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さくらさく

飯田へ出張。 朝から天気も良くて春の陽気がホントに気持ち良い。 あちこちで桜が開花していました。 仕事もそこそこに、市役所付近を散策。 春が来れば、桜は咲き、夏がくれば、蝉は鳴く。 桜を見て春を感じることが不謹慎だというならば、人間が生きている事自体不謹慎。 花見という宴会が目的ならば、よそでやればいいと思うけれど 桜を愛でることで元気をもらえるならば、そういう機会をつくることは大切なんじゃないかと。 自粛ムードが漂う中で、人間の生き方を自粛してしまうことがあるならば それは、復興には繋がらないと思います。 原発問題は、現在進行中で収束のきざしが見えません。 直ちに影響が無くとも、今後どんな影響が出るかは政府は述べていません。 政府発表がどうであれ、真実を隠蔽することは出来ないし その犠牲になるのは、僕達の子供や孫の世代になるでしょう。 その時にどんな償いが出来るというのか。…

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歴史

僕らは今、激動の歴史の中にいる。そんな思いにならずにはいられない状況。 福島原発の事故は、明らかに歴史の中に刻まれるべき大事故。 しかし、それは今を生きる日本人に、多かれ少なかれ影響を受けて、生きていかざる負えない。 建築の仕事だけでなく、関東に取引先があれば間違いなく物流や資材の影響が、自身の仕事に影響してくるだろう。 そんな中で、歴史の教科書に載らないところで奔走している人は大勢いる。 そして、それを如何に乗り越えるべく知恵を絞るのはどんな時代でも、個人の力から始まっているはず。 今、目の前の問題をクリアにしていくことは未来を切り開く歴史の光に他ならない。 どんなに小さい問題でも。[:en]僕らは今、激動の歴史の中にいる。そんな思いにならずにはいられない状況。 福島原発の事故は、明らかに歴史の中に刻まれるべき大事故。 しかし、それは今を生きる日本人に、多かれ少なかれ 影響を受けて、生きていかざる負えない。 建築の仕事だけでなく、関東に取引先があれば 間違いなく物流や資材の影響が、自身の仕事に影響してくるだろう。 そんな中で、歴史の教科書に載らないところで 奔走している人は大勢いる。 そして、それを如何に乗り越えるべく知恵を絞るのは どんな時代でも、個人の力から始まっているはず。 …

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SI-house打合せ

長らく、おまたせしてしまったクライアントとの打合せ。高速バスで現地に向かいました。 燃料の消費が抑えられれば、それはそれで被災地支援になるかと・・・。 それによって、時間の制約が出るので、毎回という訳にはいきませんが なるべく利用したいものです。 座席は思った以上に混んでいました。 震災の影響ということでは無いのでしょうが・・・。 肝心の打合せ。 設計の全容を説明するというのは、思った以上に大変。 内容は、クライアントそれぞれに異なるのは当然ですが そこで、何を実現するかという思いもやはり、異なります。 それを説明しながら、理解を得ていきます。 クライアントが初めてのことなのはもちろんですが 私にとっても、新たな挑戦という意味において初めてのこともあります。 それを、理解するのはお互いに時間と説明を必要とします。 携帯電話の取扱説明書がなぜ厚いか。 多分、それは、伝えなければならない(伝えたい)ことが たくさんあるからだと思います。 例えば、取説の最初の方のページには電源の入れ方が書いてある。 大抵の人は、携帯の電源は分かりやすいマークが付いているので 取説をよく読まなくとも、理解できると思います。 では、iphoneの電源はどうでしょう。 apple製品をお持ちの方は、すぐに理解で…

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震災のあと

未だ、福島原発は危機的状況を脱してはいませんが 僕の住む街は、幸運にもさほど目立った被害は見られません。 しかし、ほんの数十キロ先では、日常をまともに過ごせない 状態の人がいます。 仕事がほとんど手につかない状態ではありますが日常は淡々とやってきて、それを淡々とやり過ごす。 それが出来る幸せをかみしめながら。 出来るだけ、日常と変わらずに。 出来れば少ないエネルギーで「日常」を過ごす。 災害にあわれた人たちを助けるという、今最も日本に必要なこと、以外のことで 僕が出来ることは、そんなことしかありません。 日本の混乱を少しでも増やさないために・・・。 少しでも物資が被災地に届くように。 東日本は放射能に汚染される危機が迫っています。 程度の差があれど、少なくとも震災前の状況とは変わってしまったのは事実。 長野市でも、通常の3倍の放射線を確認しています。 どんなに微量であろうと、継続的に浴びて影響が全くないと言えるのだろうか。 原子力発電に関しては、以前より懐疑的な思いでしたが、これだけの電力を使用して、 原発の電力を必要としている事実は、日本に住む以上認めなければなりません。 今後のエネルギー対策は、ますます難しくなると思います。 まずはなんとしても、これ以上の放射線の拡散を防がなけれ…

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虚しさと悲しみと

  Photo:Cat by Moyan_Brenn 街がこんなにも一瞬で破壊されていく光景は建築に関わる人間として、絶望的な光景で、言葉を失ってしまう。 残っている基礎を見ていると、建物はコンクリートでつくるのが最善とも思えてしまうが、そんなに単純ではない。 実際に、チリ地震の経験で自宅をRC造で建て替えた老夫婦はその住宅の2階で亡くなってしまった。 津波は、その遥か上まで襲っていったから。 全てを失ったと語る若者の目には涙もなかった。 淡々と語る言葉に、その苦しみが伝わってくる。 被災された方の未来に、少しでも光がさすことを祈って。[:en]街がこんなにも一瞬で破壊されていく光景は建築に関わる人間として、絶望的な光景で、言葉を失ってしまう。 残っている基礎を見ていると、建物はコンクリートでつくるのが最善とも 思えてしまうが、そんなに単純ではない。 実際に、チリ地震の経験で自宅をRC造で建て替えた老夫婦は その住宅の2階で亡くなってしまった。 津波は、その遥か上まで襲っていったから。 全てを失ったと語る若者の目には涙もなかった。 淡々と語る言葉に、その苦しみが伝わってくる。 被災された方の未来に、少しでも光がさすことを祈って。…

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interior

ランキングカテゴリーを「モダンインテリア」に変更しましたので インテリアについて一考。 インテリアというのは、建築か否か。 という問はその問い自体がナンセンスなのは言うまでも無いのだけれど一般的にはインテリアデザイナー などという職種があったりしますので建築とは切り離されている印象があります。 建築士の資格がなくても、デザインが出来るということもあるかも知れません。 しかし、建築にとってインテリアだろうがエクステリアであろうが それが建築とは別にデザインされること自体に違和感があります。 建築構造と表裏一体でデザインされるというのは、実はとても高度で難易度が高いのです。 かつて、ポストモダンが盛んに叫ばれたときは、構造は完全に裏方でありました。 骨組みは置いといて、化粧をどうやって施すかを競っていたように思います。 そういうハリボテ的なモダニズムはバブルと共に消えて言ったわけですが その対極にある、ミニマルモダニズムは、構造と如何に融合するかに掛かっているので 自ずとインテリアもストイックな緊張感を醸しだす様になります。 なかには、構造自体をインテリアにしてしまうこともあります。 そちらはハイテック・アーキテクチャという別な潮流も影響していると思われます。 しかし、構造に対する姿勢と…