なおしま-3

直島の家プロジェクトエリア。 ここでもやっぱり安藤建築に注目してしまいます。 特に最近完成した「ANDO MUSEUM」はいいですね。 規模は小さいですが、スーパーゼネコンの鹿島建設が施工を担当していますので クオリティーが半端無く高い質になっています。 古い建築の内部にコンクリートを挿入するコンセプトは初期の安藤建築にも 登場しますが、本格的に実現したのはこれが初めてではないでしょうか。 「中野島の卵」は、僕が高校生の時に初めて知りましたが、とんでもないインパクトがありました。 そして、長い年月を経て実現するその根気には、改めて尊敬します。 「意志」の力を感じずにはいられない空間でした。 写真はANDO MUSEUMの近くの「ぎんざ」 手前は見ることが出来ましたが奥側の内藤礼さんの作品は見ることが出来ませんでした。…

てしま-2

豊島のつづき。 実は、豊島美術館は豊島編で最後に行きました。 最初に行ったのは、「横尾館」です。 写真がないのは、撮っていないから。 はっきり申しまして、ナメてました。 横尾さんも永山さんも。 これすごいです。おもいっきり心つかまれました。 でも、写真には写りません。だから撮ってないです。 是非、体感してください。 係の女性が外国人で日本語で一生懸命解説していただいたのが嬉しかったです。 最後の棟と赤い空間がとっておきです。 画像は、時間切れで行けなかった「海のレストラン」 半透明のヴォールトはきっと気持いいと思います。 豊島で初めて電動アシスト自転車なるものをレンタルして乗りました。 こんなに楽だとは思いませんでした。 お陰で、坂道だらけの豊島をくまなく回ることが出来ました。 豊島散策にはオススメです。 予約なしでも、簡単にレンタルできます。 もっと長い時間、借りたかったけれどこの日は直島に戻る予定だったので、程々で戻りました。 直島では電動あまり見かけなかったけど無いのかな・・・。…

豊島美術館

今日は、今回の旅のメインイベントである「豊島美術館」 やっとたどり着いた空間にはココロ揺さぶられました。 言葉でいろいろ説明したいところですが、ただただ感動するばかりです。 この建築の技術的な解説を拝読したし、どう作られたか施工的な解説も理解した上でも 尚、この感動の根源を表すことが出来ない気がしてしまいます。 アート建築を純粋に建築と呼べるのだろうか。 アートと建築が機能で分けられるのであれば、豊島はどっち? アートのように振る舞いながら、建築としてここに存在する。 アーティストとアーキテクトの関係性は、ちょっと悩ましい。 shop&cafe棟では、その建築としてのせめぎ合いの跡が残されている。 それに気がついたとき、ちょっと西沢さんに親近感を持ってしまいました。 なにかっていうと・・・。…

Naoshima-2

昨日の続き。 アンドー建築堪能の後、最終のフェリーで高松へ戻る。 直島の玄関口は、SANAAの建築。 古河公園からの系統的なSANAAスタイル。 よく見ると構造の工夫が面白い。 鏡面の壁は耐力壁だが、それを伝える為に梁成ではなく梁巾で対応している。 それが一定ではないので、ターミナル機能と関連しているのかな。 柱は恐らく100Φのパイプか無垢か。 地中美術館のチケットセンターも鉄骨造で安藤風の処理をしているのだが 屋根の感じが安藤さんの処理と全く違って面白い。 そして、醸しだす雰囲気が全く違う。 安藤さんは鉄骨使っても、重さをうまく醸しだす。 ただ、SANAAの方はいつも思うが、使い方というか張り紙のようなサインが多すぎる気がする。 商業的な要素が強いからかもしれないが、古河公園は悲惨だった。 もう少し、アートらしい使い方を考えてくれた方がいいなぁ・・・。 でも、ちょうどクリーニングをしていて、ガラスやデッキの裏面を掃除していたりして 町なりにメンテナンスを頑張っているんだなと感心もしました。 次の日に見たら、ガラス面の反射がとても美しかった。 ちなみに、機械室のような箱が外に飛び出しているが、アンドー風なのにとても軽やかな箱に見えるのは 僕だけでしょうか。…

Naoshima-1

久しぶりの建築行脚の旅です。 今回は、奇跡の島『直島』です。 以前に淡路島は上陸しましたが、こんなに近いとは知りませんでした。 四国は初めてだったので、高松経由で直島上陸。 長野から大阪乗り換えの高松は、かなり疲れましたが、大阪の高速バスはテンション上がりました。 阪神自動車道は全くの初めてで、しかもバスは見通しが良くて街が一望できます。 梅田のスカイビルをはじめ、大阪のスカイスクレーパーは個性的な気がします。 なんばの高松建築も刺激的でした。パチンコ店のようですが、ハマってると思います。 天気も台風一過の快晴で、もう全てが最高の一日でした。 お昼に高松へ到着。 そのまま直島へ。 当初は時間もなかったので下見のつもりだったのですが、地中美術館がどうしても見たくなり、直行! Lee U-Fanもあわせて今日のターゲットは決まり。 直島はやっぱり安藤建築なしには語れません。 歩かせるアクセスは安藤さんらしく、ウォルター・デ・マリアで度肝を抜かれ感動で泣きそうに・・・。 もう意図的にコールドジョイント?と思えるような圧巻の壁体建築。 珍しく型枠のズレが有りましたが、安藤建築であそこまでそのままはあまり見たことがないです。 地中ということで、施工は難しかったんでしょうか。 書きたいことは山ほ…

山荘

no.555の土田氏のrenovation作品に少しだけお手伝いさせて頂いたので、完成間近の現場にお邪魔しました。 距離は遠くはないのですが、山道を走るので遠く感じます。 現代に生きる建築家として、今あるものをうまく使ってデザインすることは、これから特に要求されていく 仕事だと思います。そんな中で如何にオリジナリティを構築していくかは、新築とは違うアプローチかもしれません。 元の建築の良し悪しにかかわらず、作品性を醸し出せなければ、僕らが関わる意味が薄れてしまう。 そんなことを考えながら、現場をウロウロ歩き回っていました。 僕の感想は、本人に直接述べましたので、ここでは詳しく書きません。 でも、しっかりしたオリジナリティを感じられるとてもいい仕事だということは言うまでもありません。 僕ならどうなるかなぁ。…

new panel

karmannの修理が進んできました。 ロッカーはステンレス製と思われる肉厚のパーツに交換! 形状がオリジナルと異なっていたそうで、その形状合わせに苦労したと板金屋さんが語っていました。 ほぼ、手作り状態です。素晴らしい技術だと思います。 最初はロッカーだけのつもりでしたが、実はフロアもボロボロで無理やりFRPで固めてある状態でした。 それで、思い切ってフロアパネル全交換! 手前が新しいフロアパネルです。奥が以前の状態。 サードパーティ製のパネルは、作りが荒いしそれぞれの個体は、微妙に違っているので最終的には、人間の手と五感ですり合わせをしなければ、成り立たない。 それなりのコストも掛かりますが、ものを作り、扱う人間としてとても刺激的な経験です。 ボディが決まれば、この車はまだまだ走れます。 アメリカには、空冷ワーゲンを電気自動車にできるキットが売られています。 日本は車検制度があるので、無理かもしれませんが。電気で走るkarmannにも一度乗ってみたいと思う今日このごろ。…

SI-house写真撮影

先日、2日間にわたってSI-houseの撮影をしました。 引渡をして、一年と4ヶ月ほどですが、とても綺麗な状態で大事にされていることが伝わりました。 オーナー様にお願いして一日目の夜に泊めて頂きました。 そこで迎えた朝は、言葉で言い表せないほどの気持ちよさでした。 季節によって、いろいろ苦労されている部分も少なからずあるそうですが それ以上に喜びのほうが大きいということを仰っていたのが印象的でした。 僕の求める建築イメージを時間をかけて共有してきた結果だと思います。 こういう時間は本当に幸せな気持ちになります。 写真に小さく写っているのは、この建築とほぼ同じ時に生まれた息子さんです。 建築と共に成長していくのを見守るのは、僕の密かな楽しみでもあります。…

長野県建築家デザイン住宅設計事務所

Karmannghia

わたくしの愛車カルマン様が大手術中です。 約半年間、入院するのを待っていたのですが、入院して早一ヶ月・・・。 病巣があらわになりました。 大体予想はしていたのですが、思った以上に病んでいます。 40年以上前の車なので、当然といえば当然ですが。 前オーナーは恐らくこのような補修方法では無く、見た目に綺麗になっていれば良いという感じで この病巣を覆い隠す方法で補修しているために、このような状態になったと思われます。 人間の病気と一緒で、根本を解決しなければ、いずれ体全体が病んでしまうのは同じ。 もともと、この車の弱点はロッカーと呼ばれる写真の部分で、ほとんどのカルマンギアはここが傷んでいます。 ただ空冷ワーゲンのパーツというのは、最近本当に充実してきて、これらのボディパーツも簡単に手に入るし しかも、わりと安価なのです。 良い機会なのでしっかりレストアしたいなと思うのですがまだ見積出てないので、いくら掛かるか不明です?! 財布も気合い入れないと錆びそう・・・。…

長野県建築家デザイン住宅設計事務所

建築家の存在

住宅を含めて、建築をつくることはとてもお金がかかることです。 ましてや、デザインの優れた住宅が欲しいと思ったらいくら掛かるか分からないと思う方が多いと思います。 実際、私の事務所を訪れるクライアントの方々は、多かれ少なかれコストの問題にぶつかった経験をした方がほとんどです。 それでも、設計事務所を訪ねて来る方というのは、やはりデザインの価値を知っているからこそだと思います。 私の手がけた住宅は、総じて高額に見えるとよく言われますが、実はどの住宅も一般的な住宅の価格と変わらないものがほとんどです。 しかし、それは様々な紆余曲折を経て辿り着いた結果であり、毎回同じように成功するとは限りません。 一つ言えるのは、デザインとコストは純粋な比例関係ではないということです。 大きなくくりでは、お金をかければ可能なことが増えるのは、当然なことですが、お金をかけても辿り着けない領域が必ずあります。 そこに、到達するのが建築家としての本領だと私は思います。ただ、この行為自体が非常に時間のかかることで、まさにマンパワーが必要になります。 つまり、ビジネスとしては効率的ではないこととして切り捨てられる部分です。だから、建築設計に効率を求める事務所であれば、そこにはあまり労力を掛けません。 また、工務店にも…

TNデザイン一級建築設計事務所

建築が好きな人

  Photo:sanaa, zollverein kubus, 2003-2006 by seier+seier 住宅は商品という側面も必ずしもあるかもしれない。 だからこそハウスメーカーなるものが存在すると思う。 その存在を否定するつもりは無いけれど、建築家と創る家はそういうものとは全く違うと思いたい。 車のような感覚で気軽にオプションを加えたり・・・ それは、満足感はあるのかもしれないけれど、建築の本質とは別な所で 予算がどんどん消費されていくのを目の当たりにすると、大変虚しい気分になる。 最近は、太陽光発電が事業化されていることもあり、”屋根貸し”だとかそういう 資本主義の道具にされている建築はもはや建築ではなく、単なる構築物に成り下がる。 資本を産み出すための建築物という側面は、もちろん重要な部分ではあるが それだけのために、この手の建設に関わるのは出来れば遠慮をしたい。 自分の心を削って創ったものが、結果的に資本主義の恩恵を受けるというのなら それは、願ってもない幸運であるのだけれど。 そんな幸せな経験は滅多に訪れないものだ。 ただ、建設という行為に関わっているだけでも、まだマシなのだろうが。 僕は建築が好きだ。建築を考えるのも創るのも。 そんな建築バカの創るも…