Category Archives: UT-house

信州の建築家とつくる家

JIA長野県クラブ監修の冊子「信州の建築家とつくる家」が発刊されました。 弊所作品の「UT-house」が表紙に採用されました! 本の表紙となると、僕も初めての経験なので、とても嬉しいやら恥ずかしいやらで感情が迷子中です。 住宅であっても、建築の外観というものに僕自身特別なこだわりがあり、一枚の絵で全てを語れるほどの外観というものに、いつも憧れを持ちながら建築をつくってきたように思います。 インスタ映えと言われるずっと以前から、”見栄え”というものに真剣に向き合いながら、ときに機能や安全性やメンテナンスと闘いながら、僕が想う理想の建築を目指してつくったモノが”表紙として採用いただけるという評価”をいただけるということは、誠に嬉しい限りでございます。 建築家は、少なくともアトリエ事務所を自称するならば、単に依頼された通りの建築をつくることが我々の職能ではなく、社会にとって、未来の世界にとって何が必要かと問い続けることが必要だと僕は思うのです。 そして、田舎の小さな個人事務所のささやかな活動であったとしても、建築を作り続ける限りは、何かしらの影響を与えられるのではないかと思いたい。 どんな世界であっても、フォロワーが多いことはもちろんいいことなのは間違い無いですが、フォロワーの数よりも重…

UT引渡し

なんとか引渡しすることができました。 まだ残工事がいっぱいあるので、完成と言える状態ではないですが、とりあえずひと段落。 内部の写真しか、まだ撮れていないけれど、なかなか精度良く仕上がりました。 施工者様は、最初から最後までほぼ外注しないで、マルチスキルのワンチームで施工するという挑戦をほぼ成し遂げました。 僕にとってもかなりの挑戦的なプロジェクトになったと思います。 一見すれば、今までと変わらずに出来上がっている様に見えますが、そのプロセスはかなりの紆余曲折がありました。 新たな発見はもちろんありましたが、思わぬ失敗もありました。 それをなんとかリカバリーしながら、ここまで創り上げました。 昨今は効率重視の工業製品の寄せ集めで、住宅なんかは簡単に出来る時代に、ここまでの精度で一品ものの現場製作である建築を、多能工チームでコツコツ作ることが、世の中に何か新たな価値を生んでいるかどうかは正直わからない。 ただ言えるのは、いろいろなコストを含めた制約の中で、ここに建てるならば、これ以上ない住宅になったということ。 クライアントと僕と施工者は、きっと同じ気持ち。 最後に、クライアントにはこの様なチャンスを頂いて、本当に感謝しかありません。 そして、一緒に頑張ってくれた親方と職人チームの皆様…

UT現場

いよいよ師走が近づいてきて、寒くなると同時に現場も騒がしくなってきました。 毎回寒い時期の現場は、職人さんも大変ですが、我々のような監理する側もじっとしていると寒さが堪えるので、結構大変なんです。 それでも、毎日通って監理というより現場監督以上にいるので、通常の設計監理よりも手間をかけて創っている自負はあります。 模型の視点を確認したくて、Newドローンで撮影しました。…

UT。。。

難関だった基礎工事がほぼ完成し、建方工事が進んでいます。 基礎と一体の擁壁と木造による空間構成がメインテーマですが、言葉で語るほど建築を実現するのは簡単ではないです。 実際、基礎業者には何社か断られました。 基礎工事とRC工事は同じコンクリートを扱う工事ですが、棲み分けがされているらしく擁壁の様な壁は基礎工事とは厳密には呼ばないようです。 しかし、この計画ではRC壁の存在は重要な要素でもあり、以前にも試みた派生形の形態でもある。前回は鉄骨、今回は木造の試み。 異種の構造であるけれど、混構造ではないというのが、僕の好みでもあるのですが。 完璧な施工は、今回も難しくて少々の荒さが目立つ部分はあるものの、想定した建築らしさは十分に発現できていると思う。 この特殊な形態を実現してくれている施工者の勇気と情熱には頭が下がります。 これから、どんどん良くなって行けそうだけど、気を抜かずに最後まで駆け抜けようと思います。…

UT基礎

”UT-house”の基礎工事が少しずつ進んできました。 今回は、基礎工事が難関なので、日々の天気を睨みながら、気を抜けない状態が続いております。 住宅に限らず建築工事は、特にコンクリート工事は、デジタル化が進んでいる現代でも、精度においては人の手による誤差が避けられません。全てを公差±0で施工する事は不可能なので様々な逃げの納まりを考えながら、最終的な仕上がりレベルを狙って施工していかなければなりません。CADで図面化していると直線は当たり前に書けますが、現場で実現するには精度を求める程に難易度が上がります。 CGと現実世界の決定的な違いは、その微妙な揺らぎの有無だと思います。CGで見る建築は、現実の建築よりもとても硬く見えます。 一部の隙もなく完璧に収まっているので当然と言えば当然です。 でも、世界の巨匠の名建築は、現代の建築とは全く違う環境の中で作られて、壁だって曲がってたりしてますが、なんとも言えない魅力があります。精度を高める努力を怠ることは決して良いことでは無いけれど、それと建築の本質とはまた違う気もします。 究極の精度で作りたいけれど、魅力的な揺らぎも生み出したい。 その絶妙なバランスが重要だと思うし、それをコントロールするのは至難の業。 意図的にそれが出来…

現場雑感

コロナ禍の中で、幸いにも仕事があって活動が継続できることは、本当に幸せだと思います。 活動したくても出来ない人、特にパフォーマンスを披露するような活動は、なかなか苦しい状況だと思います。 建設現場も多少の3ミツが予想されますが、僕の現場は、そもそも人数が少ないので、危険性も少ないです。 でも、着工できると思っていた現場が無くなったり設計契約できた案件が無くなったりすることは、今の環境では日常的存在していて。 そのこと自体は、本当に大変なことでダメージを受けている人もたくさんいると思います。 その一方で、環境の変化によって新たな仕事が生まれる可能性もあるし、変化することには、いつも前向きでいたいと常に思います。 最近思うのは、あのまま進まなくてよかったと、今なら思える仕事もいっぱいあって。 むしろこれってチャンスかねって思うこともしばしば。 今の現場も決して、順風満帆とは言い難い状況が続いています。 でも、もうそんなことは気にならないぐらい、凄いパワーを持っている人達と仕事が出来ています。 一人で悶々とした日々がバカらしいくらいに。 ありがたいことです・・・。…

ゲンチョウ

ゲンチョウとは現場調査のことであります。現場に行くことが増えると、BLOGの更新頻度が途端に増えるという、分かりやすい人間です。設計というと机にしがみついて、マウスをカチカチしながら画面を見つめるという光景を想像しがちですが現場をウロウロ歩き回ることで得られる情報と思考は重要で、なにより楽しい。外に出て土ほって走り回るのが楽しいのは、大人も子供も変わらないということか・・・。敷地を見て、未来の建築を妄想する。妄想するだけで終わってしまうと悲しいが、実現したらそれは妄想ではなくなる。実現できそうなことや逆に突拍子もない極端な妄想は結構簡単だけどできるかできないかわからないけど、ここだったらこれがベストって思えるものを妄想するのは、あんまり簡単じゃない。夢を語れば大きくなりすぎて、リアリティなくなるけど、こんなモノなら以外にいけるんじゃない・・・くらいの。届きそうで届かない。でも、少しジャンプすれば届く・・・かもしれないという感じ。常にちょっとだけジャンプ・・・したい。…