Category Archives: 建築計画

TNデザイン一級建築設計事務所

模型

模型作成は建築を考える上で、非常に重要なツールです。 一般的にアトリエ事務所では模型はスタッフの仕事として位置づけられていますが 私自身の重要な仕事として位置づけています。 ただし、これにはメリットデメリットがあってどちらが良いかはわかりません。 模型が単なるプレゼンツールとして考えるならば、私が作る必要は余り無いかもしれません。 しかし、模型を作ること自体が建築を考えることに繋がる気がしています。 さらに、何かを自分の手で作ることは建築だけでなくモノづくりの作業として重要だと思います。 かつては、図面がその手作業の重要な役割を担ってきましたが、CADの普及によってもはや クリックの回数で図面が出来上がります。 そういった意味でも模型はスケッチと並んで手作業の重要な位置を担っていると私は感じます。 しかしその反面、やはり作ったものというのは思考を定着させてしまうものです。 つまり、案を簡単に捨てられなくなることです。 設計という作業は、いいものを探りだす作業なので、悪い案で模型ができてしまうと ある種の説得力をもってしまい、判断が鈍る可能性があるということです。 安藤忠雄さんがテレビ番組の取材の中で、模型を見ながら突然 「こんな柱とればいいんだよ!」 と言いながら、スタッフの目の前で…

TNデザイン一級建築設計事務所

現調partII

再び現調です。今回は千葉へ行ってまいりました。 クライアントは大学時代の友人です。 以前のエントリーでも書きましたが、それからもう早2年。 僕と友人の間では、その間にいろいろな模索が続いていましたが 様々な問題が多かったのも現実です。 一時は暗礁に乗りあげてしまい、諦めかけることもありましたが クライアントの情熱がやっと結果になりかけている所までたどり着いた感じです。 吉報は予兆もなしにやってきますが、何もしないのに突然それが起こることはありません。 クライアントの根強い模索とそれをキャッチする努力が不可欠です。 僕から見ると突然かもしれないけれど、それが出来る人にとっては必然でもあるのです。 プロジェクトはまだよちよち歩きの赤ちゃんくらいで、始まったばかり。 楽しんでいきましょう!…

TNデザイン一級建築設計事務所

現調

現調に行ってまいりました。 二度目の訪問です。 写真は近くの竹林を撮ったものです。 少し遠方ですが、こういう作業は省くことが出来ないものです。 現在の日本の法律上、建築は敷地の制限の中で構築されるものですが そういった法律上の境界はほとんどが目に見えるものではありません。 隣地境界線や道路境界線はどんな地域でも見えやすいですが。 例えば、高さ制限は通常あまり見えないものですが、東京のように高密になると逆に それが街のデザインのように見えてきたりもします。 #5115では、天空率を利用して道路斜線を回避しています。 前面道路があまり大きくない場合、道路斜線によって建物の高さが斜めに 制限されるのが道路斜線です。 ここではコンセプトとして、高さを確保することが優先されたので 斜線制限が見えてしまうことは避けたいと思いました。 斜線の中で構築することも不可能ではなかったのですが、それを根拠に高さを 決めるということ自体を否定しました。 天空率は当時出来立ての法律でしたが、なんとか適用してクリアしています。 法律の性格上、このデザインにあっていたことも理由の一つです。 高さを決めるという行為は、建築にとってはとても重要なことです。 建築を建築たらしめるものが、高さ所謂断面でもあります。 それ…

UNBUILT

長野市の住宅の計画。 実現はしていませんが、僕自身満足している計画です。 所謂『アンビルト』アーキテクチャなのですが、そういう作品を創ることで今の自分が建築をどう考えているのかを対話するきっかけにもなる。 当然、営業活動の一環で・・・仕事を得るために・・・活動している訳なんですけれども、それが受け入れられないからといって捨ててしまえるほど安易なもの(計画)でもない。 実作につながらないフラストレーションはあるけれど、創る情熱はそんなところから生まれるかもしれない。…

田園

季節が少し秋らしくなってきました。 これは田んぼの隣に計画した住宅。 きっと今頃は黄金の絨毯になっているころかなと思います。 田舎にいるとこういった風景がめずらしくないのですが似たようなハウスメーカーのサイディングを見せられると幻滅します。 外観に関して言えば、東京のような立地状況の場合、外観を引きで見られる場所というのはほとんどありません。 田舎に行けば行くほど外観はむしろ重要に思えます。 東京の街はインテリアのみだと言っても過言ではありません。 外部や道路さえも既にインテリア化しているのではないでしょうか。 都市というものはそういうものなのだと思います。 田舎をインテリア化するのは無謀ですが、ほとんどが外部であると考えると外観に意識的になることで住宅だってランドマークになり得るということです。 よくある意見は、『周辺環境に調和して・・・』ですが、どんなデザインが調和してると言えるのか。 僕には僕なりの調和の仕方が存在しますし、そうではないという意見もあるでしょう。 これから田舎に住宅を建てる方々は、その辺をよく考えてつくりましょう。 単に周辺に埋没してしまったとしても、それは日本の田舎を象徴する風景の一端に組み込まれてしまうのですから。…