模型作成は建築を考える上で、非常に重要なツールです。 一般的にアトリエ事務所では模型はスタッフの仕事として位置づけられていますが 私自身の重要な仕事として位置づけています。 ただし、これにはメリットデメリットがあってどちらが良いかはわかりません。 模型が単なるプレゼンツールとして考えるならば、私が作る必要は余り無いかもしれません。 しかし、模型を作ること自体が建築を考えることに繋がる気がしています。 さらに、何かを自分の手で作ることは建築だけでなくモノづくりの作業として重要だと思います。 かつては、図面がその手作業の重要な役割を担ってきましたが、CADの普及によってもはや クリックの回数で図面が出来上がります。 そういった意味でも模型はスケッチと並んで手作業の重要な位置を担っていると私は感じます。 しかしその反面、やはり作ったものというのは思考を定着させてしまうものです。 つまり、案を簡単に捨てられなくなることです。 設計という作業は、いいものを探りだす作業なので、悪い案で模型ができてしまうと ある種の説得力をもってしまい、判断が鈍る可能性があるということです。 安藤忠雄さんがテレビ番組の取材の中で、模型を見ながら突然 「こんな柱とればいいんだよ!」 と言いながら、スタッフの目の前で…