Category Archives: 日記

卒業

私事ながら、我が子の卒業式に出席しました。 この学校は、合唱に力を入れているらしく、国家斉唱、校歌合唱ともにとても美しいものでした。 昨今の教育現場は、荒れているとマスコミは報じますが、きちんとしている学校もたくさんあるのも事実です。 全体の式典が終了して、各クラスごとに担任の先生の最後のあいさつを子供達と一緒に聞きました。 涙をこらえながら伝えてくれた思いは、きっと子供の心に響くものになったと思います。 思いを持って真摯に接している先生は、他にもたくさんいらっしゃると思います。 そういう先生方に出会うことも、そして別れることも人生にとてつもない影響があると思います。 自分の過去を振り返ってみても、そういう出会いと別れがあって今の自分があります。 とても良い卒業式でした。 そして、寂しい気持ちと未来に対する希望とが入り混じった、不思議な気持ちになりました。 あらためまして  今年卒業された全ての人に    卒業おめでとう…

ロンシャンの礼拝堂

コルビュジェの建築を愛する者のとしては、聞き捨てならない事件が起きたようです。 なんとドローイングの書かれたガラスが粉々に割られてしまいました! 犯人は不明のようです。 詳細は、私自身もよく分かりませんが、とにかく粉々になってしまったということだけは揺るぎない事実のようです。 形あるものは、いつかは壊れてしまうものですが、貴重なドローイングを失ってしまったことは、大変に残念です。 しかも、一番目に入る重要な箇所で、建築そのものを印象づけるブルーの光を導くためのガラスです。 どこにでも不届き者はいるものですね・・・・。 それにしてもなぜこのガラスを・・・。 10年以上前になりますが、僕が訪れた時の状態。日付の印字が時代を感じます。…

karmannghia-2013

愛しのカルマン様が5ヶ月間のプチ?レストアの大手術を伴う入院を経て、やっと帰ってまいりました。 下回りというぱっと見はさほど変化は無さそうに見えますが、もう違う車のように快適になってしまいました。 ただし、もう一台分の費用がかかりましたが・・・。冬の寒さはこれで、かなり改善されそうです。 多分、乗り始めた時から小さな孔を見た目だけ補修されていたので、気が付かずに腐食が進んだと思われます。 しかし、徹底的にフロアを修繕したので完璧です。 他にも錆びているところはありますが、フロア周りを直したというより作りなおしたので、かなり乗り味が変わりました。 それにしても、素晴らしい職人技を見せてもらいました。 たくさんの写真を見せて頂きながら、説明を受けましたがカルマンのロッカーパネルは構造自体がとても複雑で 鉄板が何重にも折り重なって、ヒーターダクトを兼ねているために写真を見ていても、よく分からない形状を復元していました。 新しいクルマを作ることよりも、こういう再生技術の方が、これからは重要なんじゃないかなーと思ったりしますが。 さらに、この会社は古い車をEV化するという事業も立ち上げていますので いずれ、カルマンがEV車になってもおかしくないかもしれません。 車業界がそれぐらい柔軟だったらい…

山荘

no.555の土田氏のrenovation作品に少しだけお手伝いさせて頂いたので、完成間近の現場にお邪魔しました。 距離は遠くはないのですが、山道を走るので遠く感じます。 現代に生きる建築家として、今あるものをうまく使ってデザインすることは、これから特に要求されていく 仕事だと思います。そんな中で如何にオリジナリティを構築していくかは、新築とは違うアプローチかもしれません。 元の建築の良し悪しにかかわらず、作品性を醸し出せなければ、僕らが関わる意味が薄れてしまう。 そんなことを考えながら、現場をウロウロ歩き回っていました。 僕の感想は、本人に直接述べましたので、ここでは詳しく書きません。 でも、しっかりしたオリジナリティを感じられるとてもいい仕事だということは言うまでもありません。 僕ならどうなるかなぁ。…

new panel

karmannの修理が進んできました。 ロッカーはステンレス製と思われる肉厚のパーツに交換! 形状がオリジナルと異なっていたそうで、その形状合わせに苦労したと板金屋さんが語っていました。 ほぼ、手作り状態です。素晴らしい技術だと思います。 最初はロッカーだけのつもりでしたが、実はフロアもボロボロで無理やりFRPで固めてある状態でした。 それで、思い切ってフロアパネル全交換! 手前が新しいフロアパネルです。奥が以前の状態。 サードパーティ製のパネルは、作りが荒いしそれぞれの個体は、微妙に違っているので最終的には、人間の手と五感ですり合わせをしなければ、成り立たない。 それなりのコストも掛かりますが、ものを作り、扱う人間としてとても刺激的な経験です。 ボディが決まれば、この車はまだまだ走れます。 アメリカには、空冷ワーゲンを電気自動車にできるキットが売られています。 日本は車検制度があるので、無理かもしれませんが。電気で走るkarmannにも一度乗ってみたいと思う今日このごろ。…

長野県建築家デザイン住宅設計事務所

Karmannghia

わたくしの愛車カルマン様が大手術中です。 約半年間、入院するのを待っていたのですが、入院して早一ヶ月・・・。 病巣があらわになりました。 大体予想はしていたのですが、思った以上に病んでいます。 40年以上前の車なので、当然といえば当然ですが。 前オーナーは恐らくこのような補修方法では無く、見た目に綺麗になっていれば良いという感じで この病巣を覆い隠す方法で補修しているために、このような状態になったと思われます。 人間の病気と一緒で、根本を解決しなければ、いずれ体全体が病んでしまうのは同じ。 もともと、この車の弱点はロッカーと呼ばれる写真の部分で、ほとんどのカルマンギアはここが傷んでいます。 ただ空冷ワーゲンのパーツというのは、最近本当に充実してきて、これらのボディパーツも簡単に手に入るし しかも、わりと安価なのです。 良い機会なのでしっかりレストアしたいなと思うのですがまだ見積出てないので、いくら掛かるか不明です?! 財布も気合い入れないと錆びそう・・・。…

長野県建築家デザイン住宅設計事務所

建築家の存在

住宅を含めて、建築をつくることはとてもお金がかかることです。 ましてや、デザインの優れた住宅が欲しいと思ったらいくら掛かるか分からないと思う方が多いと思います。 実際、私の事務所を訪れるクライアントの方々は、多かれ少なかれコストの問題にぶつかった経験をした方がほとんどです。 それでも、設計事務所を訪ねて来る方というのは、やはりデザインの価値を知っているからこそだと思います。 私の手がけた住宅は、総じて高額に見えるとよく言われますが、実はどの住宅も一般的な住宅の価格と変わらないものがほとんどです。 しかし、それは様々な紆余曲折を経て辿り着いた結果であり、毎回同じように成功するとは限りません。 一つ言えるのは、デザインとコストは純粋な比例関係ではないということです。 大きなくくりでは、お金をかければ可能なことが増えるのは、当然なことですが、お金をかけても辿り着けない領域が必ずあります。 そこに、到達するのが建築家としての本領だと私は思います。ただ、この行為自体が非常に時間のかかることで、まさにマンパワーが必要になります。 つまり、ビジネスとしては効率的ではないこととして切り捨てられる部分です。だから、建築設計に効率を求める事務所であれば、そこにはあまり労力を掛けません。 また、工務店にも…

TNデザイン一級建築設計事務所

建築が好きな人

  Photo:sanaa, zollverein kubus, 2003-2006 by seier+seier 住宅は商品という側面も必ずしもあるかもしれない。 だからこそハウスメーカーなるものが存在すると思う。 その存在を否定するつもりは無いけれど、建築家と創る家はそういうものとは全く違うと思いたい。 車のような感覚で気軽にオプションを加えたり・・・ それは、満足感はあるのかもしれないけれど、建築の本質とは別な所で 予算がどんどん消費されていくのを目の当たりにすると、大変虚しい気分になる。 最近は、太陽光発電が事業化されていることもあり、”屋根貸し”だとかそういう 資本主義の道具にされている建築はもはや建築ではなく、単なる構築物に成り下がる。 資本を産み出すための建築物という側面は、もちろん重要な部分ではあるが それだけのために、この手の建設に関わるのは出来れば遠慮をしたい。 自分の心を削って創ったものが、結果的に資本主義の恩恵を受けるというのなら それは、願ってもない幸運であるのだけれど。 そんな幸せな経験は滅多に訪れないものだ。 ただ、建設という行為に関わっているだけでも、まだマシなのだろうが。 僕は建築が好きだ。建築を考えるのも創るのも。 そんな建築バカの創るも…