現在施行中のM2現場。地盤改良が終って、基礎の配筋と型枠を施行中。ほぼ敷地いっぱいに建つ予定の計画なので、あらためて見ると大きい住宅。現場を片付けながら談笑している職人さんの傍で、ふと過去の思考のプロセスを逆再生しながら、自分の構想と現実の建築を調整してみる。この敷地で何案考えただろう。たくさん考えて、図面も書いたのだけれど、実現できるのは一案です。一案だけ考えて良いもの作れるほど、僕は天才ではないので、凡人なりに案を作りまくりなのが日常です。最終案は以外にも簡単そうなプランに見えてしまうのは不思議。あるプロカメラマンが、プロは目指したレベルに一瞬でたどり着く。素人はたくさんの中からチョイスする。と語っていました。その意味では、僕の思考は素人っぽいかもしれません。今どきのスマートさもないかも。でも、時々これが極端に少ない思考で、たどり着く時もあります。俗に言う、降りてきたとか降ってきたとかいうヤツです。ほとんどの場合は次の日に勘違いに気付くので、振り出しに戻りますが。建築が実現しないと建築家としては、なかなか評価をしてもらえません。でも、アンビルドな建築をどれだけ真剣に考えられるかということも、重要なんじゃないかなとも思います。その思考の厚みによって、最終的に判断されたものに奥行きと…