Category Archives: 建築行脚

TNデザイン一級建築設計事務所

okazaki

夏休みシリーズ、最終です。 「西光寺本堂」 愛知県の岡崎市です。 コールテン鋼の外壁が特徴的であることと、お寺の本堂を現代的な素材で再解釈している建築です。 社寺建築に関わったことがある人なら、これがとても特殊な建築であることがわかると思います。 過去にも、現代建築の本堂は幾つかありますが、こういう建築が成立するためには、住職と檀家の方々の理解が不可欠です。 僕も住職にそういうプレゼンをしたことがありますが、却下された経験があります。 望まれない建築ほど、虚しいものはありません。 鉄のお堂、素敵ですね。 鉄好きにはたまりません。 内部は白いみたいですけど、それはもう少し変化があっても良さそうな・・・。 夏休みシリーズ、最終です。 「西光寺本堂」 愛知県の岡崎市です。 コールテン鋼の外壁が特徴的であることと、お寺の本堂を現代的な素材で再解釈している建築です。 社寺建築に関わったことがある人なら、これがとても特殊な建築であることがわかると思います。 過去にも、現代建築の本堂は幾つかありますが、こういう建築が成立するためには、住職と檀家の方々の理解が不可欠です。 僕も住職にそういうプレゼンをしたことがありますが、却下された経験があります。 望まれない建築ほど、虚しいものはありません。 鉄の…

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夏休みシリーズ、豊田市第二弾、「豊田市美術館」 美術館といえば、谷口吉生。 この端正な建築は、美しすぎる・・・。 手前はリチャード・セラの「ダブル・コーンズ」 この日は、建築の写真をとっている人がやたらといてビックリした。 このアングルは、人が柱に隠れたスキに撮ったもの。 今回の企画展示は、あまり面白くはなかった。 18日からは、石上展をやるらしいが、どうなんでしょ。 石上さんはアーキテクトというよりアーティストな感じ。夏休みシリーズ、豊田市第二弾、「豊田市美術館」 美術館といえば、谷口吉生。 この端正な建築は、美しすぎる・・・。 手前はリチャード・セラの「ダブル・コーンズ」 この日は、建築の写真をとっている人がやたらといてビックリした。 このアングルは、人が柱に隠れたスキに撮ったもの。 今回の企画展示は、あまり面白くはなかった。 18日からは、石上展をやるらしいが、どうなんでしょ。 石上さんはアーキテクトというよりアーティストな感じ。…

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岐阜シリーズを終えて、愛知に突入、豊田市です。 今回のメインのひとつ、妹島作品。「逢妻交流館」です。 妹島さんの作品は、本当に考えさせられます。 建築の本質とはなにか。 専門的な話は色々ありますが、とりあえず一般的で基本的な話。 建築の使われ方について。 安藤さんの建築には、張り紙なんか全くありません。養生テープなんかもっての外。 そして、それに使用する側が常に意識して使っています。 長良川国際会議場の給湯室でさえ、そうだと案内された方に言われました。 しかし、妹島さんのガラスには必ず養生テープが貼られる。 安藤さんのコンクリートには貼られないのに。 ガラスにきちんと衝突防止のマークが付いているのにもかかわらず。 ガラスを使った建築をコンペで選んでおいて、あんな使い方をしていいのなら建築をデザインすること自体を冒涜しているとしか思えない。 壁にしたって、張り紙をやたらとするのも安藤さんの建築には見当たらないのに、ここでは・・・。 SANAA建築は海外や美術界等専門的な分野でとても評価されているのに、それが建築家の評価に全くつながっていないのではないか。 建築家の地位自体が未だ認められていないのだろうか。 そしてそれは、SANAA自身がアーキテクトではなくアーティストとなっている証拠か…

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引き続き夏休み岐阜シリーズ第六弾、長良川国際会議場。 久々の安藤作品であります。 しかし、当初は私の予定には入っておりませんでした。 岐阜ツアー二日目の宿は、予約担当の妻から「ちょっと高級なの」とは聞いておりましたが、ホテルの前面通りに曲がった瞬間視線は釘付け。 なんか安藤テイストな建築が異様なオーラを纏って、隣に建ってるんですけど。 ちなみに一日目は、黒川紀章氏設計のホテルだったのですが、あまりよくなかった。 チェックインも程々に、これ安藤っぽいんだよなーとつぶやきながら通りの看板確認したら、「設計者は安藤忠雄」。 だよねーと頷きながら、納得。でも、この作品知らなかった。 ホテルの隣が安藤建築。いいですね。 でかした妻セレクション! しかも、近くにとっても美味しい居酒屋がありまして、お酒は飲めないですが料理が最高。 いいぞ妻チョイス! ということで、このあとに名古屋に向かう予定になっていましたが連泊決定。 この日は、「長良川国際会議場」を拝見するのは後回しにして、その美味しい(この時点では美味しそうな)居酒屋さんへGO! 店名は「古風人」。 ごちそうさまでした。 そして、明後日にじっくりと建築内(長良川国際会議場)を見ることが出来ました。 まずは圧巻の「市民ホール」。 4層吹抜。 …

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岐阜シリーズ第四弾、「瞑想の森」。 伊東豊雄作品。 これは最近では、ちょっと無いくらい感動ものでした。 ただ、内部は見ることが出来ませんでした。 というのも、あまりにも見学者が多いらしく、市営の葬祭場であるためにクレームが出ているそうです。 朝早い時間など、利用者がいない時間帯であれば見ることが出来るそうですが。 確かに利用する立場で考えると無理もありません。 エイが泳いでいるようです。 このシェルの薄さも絶妙ですね。 雨水の処理はどうなっているのでしょうか。 死ぬときはここで火葬してもらいたいと思うので、死ぬ間際には各務原に移住しよう。 という妄想をしました。…

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岐阜シリーズ第三弾、「マルチメディア工房」。 SANAAの作品で、98年の建築学会賞を受賞してます。 色々と痛々しい状況になっておりますが、このデザインの秀逸さはやはり只者ではありません。 予約が無いにもかかわらず、館内を丁寧にご案内していただきました。 担当の方に感謝いたします。 訪れる際は予約をしましょう。 さて、建築について。 学生が使用するということで、かなり雑な扱いを受けている印象がありました。 もちろん学園側の事情もあってのことでしょうが。 もう少しメンテをしてもらえれば、かなり改善されると思われました。 そして、建築設計の難しさを痛感したのも事実。 形を決めることがデザインでは無いと常々考えておりますが、これだけ繊細になってくると 使用する側のキャパシティも含めて、デザインしていくことも必要だと思われます。 屋根なのか床なのか不思議な感覚。 この感じは、近作にも生かされていると思います。 そう言えば、この丸い手摺なんかの形状はしっかり継承されてますね。…

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岐阜シリーズ第二弾、「養老天命反転地」。 今年5月に亡くなってしまった、荒川修作さんの作品。 荒川さんは建築も作っているけど、こちらの施設の方が僕は好き。 上の写真はオフィス棟ですが、本当にオフィスとして使用したかは不明。 荒川氏のたくさんのドローイングが壁にかけられているのは興味深かった。 そして、アートが直接的に視覚や聴覚以外の肉体感覚を刺激するということを初めて体験した。 それは、メインパークに入った時のこと。 歩いていたら、本当に平衡感覚がなくなってきて、足元がふらついてしまった。 それは、ほんの一瞬の事だったけれど自分でも驚いた。 地面が傾いている事は頭で理解している筈だから、そんな現象はそうそう起こらないとタカをくくっていたからだ。 これは、本当に面白い感覚。 三半規管とはいかにもろいものか。水平垂直というものがいかにもろい概念か。 身体を揺さぶることで、概念を揺さぶられる気分はこんな感じか。 なるほど。 他にも不思議な光景が。 着いたときには少し小雨がぱらついていたのに、帰る頃になったらドピーカン。 真夏の青い空が広がっていましたとさ。 暑くて体はバテているのに、感覚だけ研ぎ澄まされる感じが新鮮でした。…

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今年は帰省を早々に切り上げて、訪れたことのない土地に建つ建築を見に行くことにしました。 今回は岐阜。 長野の隣県ですが、一度も訪れたことがないのです。 多治見は暑くて有名ですが、真夏にしかもエアコンのない車で行くのは気が引けましたが、まずは行ってみないと。 最初は、セラミックパークMINO。設計者は磯崎さん。 なかなかのスケール感です。 住宅を主に設計する身としては、こういうスケール感を身につけることは建築を見ること以外に学ぶ方法がないので、じっくりと感じてきました。 エントランスまでのアプローチが整備されているのですが、それが屋根付きで長く地域の方がフリーマーケットのように店を出しています。 さらに、お年寄りの方も多く、美術館に来るよりちょっと立ち寄ったという程度の感じでホワイエに人が集まっていました。 こういう施設は割と入りづらいイメージがあるのですが、とても開かれた感じが良いと思います。 建築の持つ荘厳さと気軽なイメージとのギャップが多少ありますが、あまり敷居が高いよりは人が集える雰囲気を持つことは重要だと思いました。 ただ、磯崎さんのデザインはそういうことを目指しているとは思えないので、評価できるかどうかは微妙ですけど。 建築については、外装の色合いがとても好感が持てました。…

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vacances

今年は幸か不幸か工事中の現場が無いので、夏のバカンスを早めにとりました。 まずは地元の北海道へ。 昨年のグッドデザイン賞大賞受賞作品でもある「JR岩見沢駅」 グッドデザインの大賞というのは受賞者が投票で決めます。 これがなかなか面白いシステムで、大賞の候補は全てのジャンルからひとつです。 つまり、昨年は建築代表がこの作品でした。 実はこの作品をその時に初めて知ったのですが、とても好感が持てたので僕もこれに投票しました。 当時のグッドデザイン審査委員長は内藤さん(コンペの審査委員長も内藤さん) でしたが、一発勝負の投票なので当日のプレゼンがやはり重要です。 当日は市民の方が一緒にプレゼンに参加されていて、盛り上げようという意識が感じられました。 確か決勝投票まで接戦で、決勝で圧勝したというふうに記憶しています。 さて、実際に訪れた時の話。 レンガの質感はとても良い感じ。 レンガには全国から公募して名前を彫っています。 朝早い到着だったので、人もまばらで。 市民フォーラムが見たかったのですが、開くのを待つほどの時間と根性もなく。 このコンペの経緯を色々見てみましたが、一番落ち着いている案、欠点が少ない案だったようです。 実際に出来上がったものを見ても、最先端を目指すというよりも現代で表現…

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aoyama-II

表参道の続き。 おなじみのプラダ。 さすが施工が竹中だけあって、ヤレた感じが全くありません。 ただひとつ気になったのは、壁面緑化された部分に緑が根づいていいないこと。 都会の環境が厳しいのか、管理が悪いのか、定かではないですが。 これと、対照的な佇まいが隈さんのONE表参道。 ルーバーがシルバーグレーに美しく変化しておりました。 これは本当に美しかった。竣工当時の木目は当然キレイですが プラダのように変わらない美しさと対極にある朽ちていく美しさ。 非常に日本的な美的感覚があると思います。 とても感動しました。…

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aoyama-I

出張のついでに表参道を歩いてきました。 しかし、当日はあいにくの雨でした。 まずは、根津美術館です。 時間の関係で内部まで見ることが出来ませんでした。 道路に沿って竹林で囲われています。隈さんらしくて美しいですね。 外部はメッキ処理のStプレート。 この素材は僕も使った事がありますが、処理の程度に違いがありました。 言葉で(図面で)表現するのは同じでも、出来るものが異なるのが 建築の面白いところです。 安藤さんも同じ素材を使用していますが、安藤さんのとも異なります。 むしろ安藤さんと異なるものを意識しているのかも知れません。…

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安曇野

もう何度も訪れている『安曇野ちひろ美術館』。 静かな造形が周囲の風景におさまっている。 僕が設計しても恐らく切妻屋根は採用しないと思うけれども、この意匠以外には考えられないと思わせる意思が感じられる。 建築は視覚芸術であると同時に安心感を与えるシェルターでもある。 安心感と緊張感が同居する建築は、そう簡単には実現出来ない。 この空間には、それに匹敵する空間があるように思う。 消費されない建築は、あらゆる環境から強度をもって佇んでいなければならない。 デザインの強度は、流行とは違う場合が多いものだから一瞬で理解出来るものではないかもしれない。 時間と空気を取り込んで、強度はより強化される。 そこで初めて、その存在に気づく。 とてもさりげなく、とても穏やかに。…