約5年ぶりの札幌。 5年で町が大きく変わるわけではないけれど、少しずつ変化してくのが都市でもある。 以前はなかった、「頭大仏殿」安藤忠雄設計。 実は、実家のお墓がこの霊園にあるのだが、墓参りも満足に出来ずにいたのに心が痛みつつ まさか安藤作品と対峙することになろうとは・・・。 この霊園には、昔からモアイ像やストーンヘンジがあり、ちょっと奇妙な雰囲気を醸し出していた。 しかし、いくら正確に模倣したとしても、模倣でしかなく唯一無二な存在になることは出来ない。 モアイは見たことがないが、ストーンヘンジは実物を数年前に見た。 芝の上を歩く人数も制限され、慎重に保存されていたのを思い出す。 そこにある石像は、とても忠実かもしれないが、やはり巨石群というだけで、モアイでもストーンヘンジでもない。 大仏自体も鎌倉の大仏のようであるが、鎌倉ではないし、石像の大仏だ。 しかし、そんなある種、無造作に散らばっていたピースが、あたかも最初から決まっていたかのごとく おさまってしまうのは、安藤忠雄という構成力によってという以外に言葉が見つからない。 建築に機能が必要なのか疑問になるくらい、建築の価値というものを突きつけられる。 「ラベンダーの丘に飛び出す大仏の頭」 言葉にすると、これだけの建築だ。 でも、こ…