Category Archives: 2010

TNデザイン一級建築設計事務所

synapse

  Photo:Brain by dierk schaefer 脳の神経細胞はそれぞれがシナプスという構造で結合されている。最近までシナプスの基本的な構造が僕自身わかっていなかった。 結合というとがっちりくっついているイメージだが、実際はすき間が空いていて 細胞内の伝達機構と異なる方法で情報を伝達している。 筋肉や網膜の情報など瞬時に、しかも確実に情報を伝えなければならない場合は 電気シナプスと呼ばれていて、脳細胞のそれとは区別されている。 ちなみに脳細胞の多くは化学シナプスだが、電気シナプスは海馬などの重要な記憶を受け持つ部分にも見つかっているらしい。 まるで、コンピュータの接続規格のよう。 さて、建築にも海馬並に記憶しておかなければならない知識はたくさん必要なんですが 僕の脳は化学シナプスにしか容量は残っていないので、ひたすら弱く、しかも低速な結合を ブルーレイ並に大容量にするため、せっせとカルシウムイオンを放出しているのです。 事務所にはそのための書籍があるのですが、気に入った本はやはり何度も開きたくなります。 そこで見つけた一文に僕のシナプスからドッとイオンが放出される感じがしました。 それは、中村好文著『続・住宅巡礼』にてシーランチの章。 「偉大な建築ぶつの実感を…

長野のデザイン住宅設計事務所

competition!

新築分譲マンションの一室の設計コンペに提出した案。審査の結果、世間に認知されることがなくなってしまったので仕方なくここで紹介します。 と言ってもCG一枚だけの控えめな公開です。なんせ落選案ですので、あまり大きな声は出せません。 審査にもれてしまったのは残念ですが、作家としてこういった創作活動は常に続けなければならないものだと思うので、機会があればまた参加したいと思います。…

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記憶

もう11年前になってしまったが、ヨーロッパへ建築行脚に行った時の写真。このあと大変な目にあったのだが、この花の美しさに感動した感覚は今でも覚えている。 最近、脳に関する本を読んでいます。脳科学の世界では、アルツハイマー病の研究が盛んで治療薬やその病気のシステムの解明が急がれていいますが、決定的な事はまだ分からないみたいです。さらに治療薬もあるみたいですが、万能ではないようです。 なぜ脳に興味を持ったかと言うと、建築に限らず環境を認知してその世界を認識しているのは、脳だからです。特に視覚に関しては、かなりの情報を得ています。 でも、目が良いからといってそれが情報量に差があるかと言えばそれは疑わしい。 建築家の巨匠の中でも、目が悪かったりする人はたくさんいますし、音楽の世界でもベートーベンは耳が聞こえない時期もありました。 脳は必要な、あるいは必要だと感じている情報しか取り出さない。 同じ場所に行って同じものを見ても、全ての人が同じ情報を共有している訳ではない。 その人が見たいと思っているものしか見えない。 つまり、脳がその環境を作っているということだ。 それは、視覚を担う目の機能にも表れているのだが、網膜には色を感知する細胞がほとんど中心にしか存在しない。さらに盲点という存在もあって、…

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Apple_II

前回のエントリーで紹介したG5に代わるリンゴ君は・・・・・ なんとmini君です。 グレードダウンじゃんと言ってはいけません。 5年という時間はPCを進化させるには十分すぎるようで 既にほとんどの処理はminiの方が早くなってしまいました。 こんなに小さいのにあの馬鹿でかいG5より早いのは驚愕ですね。 しかも無線化によりどんどん取り巻きの装置がなくなってmini本来の姿で動作する事が可能になっています。 ただ依然としてあのでかい電源は存在しています。 さらにディスプレイが旧型でADCの変換アダプターのために、imacほどのスマートさはないのですが。 今回でついにIntelmacに移行したことになるのですが、やっぱりMacOSはAppleらしくていいよねと改めて感じました。 OS9時代よりOSXになってよりAppleらしくなったような気がします。 OSXもSnow Leopardになってさらに使いやすくなりました。 実はTigerからアップグレードを何となくためらっていたので、Leopardは使っていないのです。 だからなおさら感じる事かもしれません。 巷ではipadの話題でもちきりのようで、先進性においてはappleは素晴らしい製品を送り出しています。 でも完成されたデザインをさらに…

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ゴールデンスランバー

  Photo:Golden Slumbers by potaufeu 現在、公開中の邦画「ゴールデンスランバー」。機会があって、公開直前に試写会を見ました。 何の知識も期待も持たずに見たのですが、こんなに心にしみた映画はないというくらいにハマリました。 多分、これを劇場のスクリーンではなく自宅のテレビだったらこんなに感動しないだろうし今、この年齢になったせいもあるだろう。 こんなことは映画だから成立するよね、というディテールだって見えたりした。 それでも、それをかき消すくらいのメッセージが込められていて、それが心に響いてしまった。 それが何かはここでは語らない。 なぜなら、それは僕だけの感覚だからどんなに言葉を連ねても伝えられないから。 この映画を見た人全ての人が同じような感覚を感じる事は、きっとありえない。 それぞれの人生の中で様々な経験をした人が一つの価値観で同じ反応が出来る訳がない。 でも、いい映画には必ずメッセージが込められていて、それが共感という増幅装置によって心に響いてしまったら それはもうかけがえのない芸術に昇華する。 映画や音楽の良さはそういうところだと思う。 この映画が万人に認められるのか認められないのか私には分からない。 ただただ私はこの映画に感動し共…

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Apple

果物じゃないアップルです。所謂macというヤツですね。 この写真はもう5年前のものになります。 PowermacG5ですね。当時はIntelになるなんて想像もしていませんでしたので 迷わずG5を買いました。 そして、5年後にはAppleに見放されてしまいました。 何が見放されたかというと、最新のOSX10.6はこのPPCタイプのモデルには使えません。 OSX10.5が最終OSとなりました。 Apple社としては「早くIntelmacに移行せよ」という事らしいです。 それで、新たにmacproを物色しておりましたが、なんせ高価なのと このG5が気に入っているということ。 現行proは筐体の大きさは変わりませんが、ドライブが2機搭載できるようになっているため faceのデザイン(建築的にはファサード)がちょっと違います。 私はこのドライブのシャッターが一つのものがいいと思っているので 現行proはどうも好きになれません。 内部までデザインされている、モノとしての完成度に脱帽です。 届いた当時はずっと眺めていました・・・。 今は大分くたびれてしまって、埃っぽいところもありますが まだまだこの美しさを保っています。 しかし、仕事で使う以上ある程度最新の機種でないとソフトに対応できなくなります…

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大悲殿観音堂

年末に必ず訪れている須坂市にある「妙徳山 高顕寺」。 今年は雪が沢山積もっていました。 このお堂が完成したのは2006年ですのでもう4年になります。 かつてのお堂はこの背後の丘の上にありました。 その当時は登り口が分かりづらく存在もあまり知られていないようでした。現在は須坂市を見下ろすように建てられているので、正面の通りから ちらちらと見えるような位置にあります。この計画は配置が全てのようなものでしたので、正面がどこに向くかはとても重要です。 北向き観音でもあるので、真北に合わせているのですが斜面との関係や本堂との関係上 微妙に調整しています。外部の檜は雨風にさらされて、徐々にグレーになってきました。 出来た当初のきれいな状態はもちろん良いのですが 徐々に風化していくことは、時間を感じ取る手がかりとして 重要な事だと思います。 どんな物質でも同じ状態を保つという事は本来難しいことです。「万物は流転する」とはヘラクレイトスの言葉であるが、時の流れを止める事はできない。 そして物質は流転するが、情報は流転しない。 (この点でヘラクレイトスの言葉が万物に含まれないことに矛盾があるように思えるが) 建築にとって「情報」とは人間が生み出す意思という[image]だと僕は思う。いずれ全てがグレー…

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とらや

前回紹介した「建築のちから」はとても評判の良い本らしく南洋堂では前年の第二位の売り上げだったそうです。 その中でも紹介されていました「とらや工房」ですが 実は去年の夏に訪れておりました。 内藤さんの建築なのか半信半疑になるほどにデザイン臭さが消されています。 でも、そこで語りかけているものは内藤さんそのものでしたし、感じたその思いが 著書で語られている文章からも感じられて二度、感動しました。 そこで語られているのは建築というよりも、周囲の林や竹林、池などのランドスケープが 主役でした。 そして建築は控えめに人の身を寄せる為の場を与えてくれるもの。 そうした謙虚さは学ぶべきものが多くあると、その当時も感じました。 私が目指す建築の理想と違うかもしれませんが、そこにある正しさは納得できるものが 多くあります。 建築は奥が深い。 アプローチの門。ここから竹林をさらに歩く事になる。 まさに世俗との境界。天国と地獄を分つ門。 庭との関係。真夏の良い季節だったので、とても気持ちがよかった。 こういう空間は住宅にも絶対に必要だと思うが、受け入れられる事は少ない。 日本人はかつては「家は夏を旨とすべし。冬はいかなるところにも住まる。」 と言われていたのに、いつのまにか「冬を旨とすべし。」に変わってし…

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建築のちから

内藤廣著 「建築のちから」 お正月に読みました。短編を再編集しているので読みやすいのですが 私にとってはとても重い本です。 そして深いのです。 正月気分でのんびりしていられなくなりました。 精進しなきゃいけません。 建築家というのはカタギではない。と内藤さんは語っておりましたが まさにそうだよねという感じです。 霞を食って生きてやる。…

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初詣 2010

今年は大町にある「若一王子神社」です。 本殿は屋根が草葺きで神社建築としては珍しい。重要文化財に指定されています。 室町時代に建てられたそうですが江戸時代の初期に修理をしているそうです。 それでも、築約350年ほど。歴史を感じます。 三重塔は県宝に指定されています。 ランチはすぐ近くにあるこれまた古い家屋を改修しているお店。 火鉢がかわいらしくてしかも暖かい。 初めてだったのですが、いいお店です。…

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2010

あけましておめでとうございます。 今年は節目の年になりそうです。 年回り的には前厄なんですが、くじけずに頑張りたいと思います。 久しぶりに本気で滑りに行きました。 今シーズンはどっぷりskiにはまりたいと思います。 世の中はすっかりカービングという流れになったようですが 私もその領域に足を踏み入れたようです。 店頭でモーグル用はといったら当てはまるのはこれしかないと言われて衝動買いしました。 以前はいろんなメーカーがエクストリームタイプやフリースタイルを出していたのに。 何の下調べもしないで買ったので、(しかも高かった)一応このメーカーを調べたところ リズムという珍しいメーカーで、岩渕隆二が関わっていると知ってぶったまげました。 かつてモーグラーとして注目されながら、ワールドカップに出場するも日本代表にはなれずそれ以降選手としては日のあたる場所にはいなかった。 でも、とても才能豊かで魅力的な滑りをしていたのを私は知っています。 そんな過去がありながら、新たに挑戦している彼の板を何も知らずに手に入れた事が 私にとっては衝撃でした。 最初は軽い気持ちでもこんな出会い方をしてしまったら、本気を出さないと申し訳ないような気がします。 という事で、近場のゲレンデで楽しんでます。 しかもカルマン…