Photo:Caught in the Vortex By Steve Corey, O.O.T. 建築にとっての素材は、ひとつの大きなテーマに成り得るほどの特徴だと言えると思います。 グラフィカルな意味でのデザイン、例えばCGの世界でも素材感というのは重要なテーマかもしれません。 しかし、建築にとってはこの世に生まれるための構成要素として欠かせないものなのです。 つまり、素材なくして建築なし。 さて、建築を抽象化することは近代建築のある方向性として今も重要なテーマとしてあると思います。伊東豊雄さんは既にその路線からは離脱したと語っていますが。 モダニズム(古典的?)としても抽象化はベースになる思考だと思いますが そこで問題になるのは人間の為に構築された建築があまりに抽象的であるが故に、人間さえも不純物として認識されてしまうことがあるということです。 人間自身を漂白することは、とても難しいことです。 人間は本来自然の一部として存在するのですから。 人間は他の自然と違うのは、脳を持っているということです。 人間の脳は、とても抽象的な存在だと言えます。 そして、その脳の世界を現実化しようとする行為は、人間にとっては必然のような気もします。 でも脳の世界が抽象的だとしても、そ…