Category Archives: 2010

TNデザイン一級建築設計事務所

vacances

今年は幸か不幸か工事中の現場が無いので、夏のバカンスを早めにとりました。 まずは地元の北海道へ。 昨年のグッドデザイン賞大賞受賞作品でもある「JR岩見沢駅」 グッドデザインの大賞というのは受賞者が投票で決めます。 これがなかなか面白いシステムで、大賞の候補は全てのジャンルからひとつです。 つまり、昨年は建築代表がこの作品でした。 実はこの作品をその時に初めて知ったのですが、とても好感が持てたので僕もこれに投票しました。 当時のグッドデザイン審査委員長は内藤さん(コンペの審査委員長も内藤さん) でしたが、一発勝負の投票なので当日のプレゼンがやはり重要です。 当日は市民の方が一緒にプレゼンに参加されていて、盛り上げようという意識が感じられました。 確か決勝投票まで接戦で、決勝で圧勝したというふうに記憶しています。 さて、実際に訪れた時の話。 レンガの質感はとても良い感じ。 レンガには全国から公募して名前を彫っています。 朝早い到着だったので、人もまばらで。 市民フォーラムが見たかったのですが、開くのを待つほどの時間と根性もなく。 このコンペの経緯を色々見てみましたが、一番落ち着いている案、欠点が少ない案だったようです。 実際に出来上がったものを見ても、最先端を目指すというよりも現代で表現…

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aoyama-II

表参道の続き。 おなじみのプラダ。 さすが施工が竹中だけあって、ヤレた感じが全くありません。 ただひとつ気になったのは、壁面緑化された部分に緑が根づいていいないこと。 都会の環境が厳しいのか、管理が悪いのか、定かではないですが。 これと、対照的な佇まいが隈さんのONE表参道。 ルーバーがシルバーグレーに美しく変化しておりました。 これは本当に美しかった。竣工当時の木目は当然キレイですが プラダのように変わらない美しさと対極にある朽ちていく美しさ。 非常に日本的な美的感覚があると思います。 とても感動しました。…

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aoyama-I

出張のついでに表参道を歩いてきました。 しかし、当日はあいにくの雨でした。 まずは、根津美術館です。 時間の関係で内部まで見ることが出来ませんでした。 道路に沿って竹林で囲われています。隈さんらしくて美しいですね。 外部はメッキ処理のStプレート。 この素材は僕も使った事がありますが、処理の程度に違いがありました。 言葉で(図面で)表現するのは同じでも、出来るものが異なるのが 建築の面白いところです。 安藤さんも同じ素材を使用していますが、安藤さんのとも異なります。 むしろ安藤さんと異なるものを意識しているのかも知れません。…

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HANABI

毎年行われている、須坂市の花火大会。 日程が悪いのか、開催者に雨を呼ぶ人がいるのかわかりませんが、毎年天気が悪く 今年も怪しい天気の中、なんとか雨に濡れずに見ることが出来ました。 たまーに連発します。 地方の小さな花火大会ですが、今年はさらに少なくなってあっと言う間に終わりました。 長野方面でも同じ時間に花火が上がっていたのですが、明らかに上がるペースが違います。 でも、なんかのんびりしていて派手さはないけれど、それはそれで情緒があり。。。 どんな時代でも、儚いものほど美しく感じるのは日本人の感性でしょうか。 まんまる。…

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奥社

連休なか日の日曜日。 戸隠神社の奥社に登って、参拝してきました。 まずは奥社の近くにある、お気に入りの蕎麦屋さんで腹ごしらえ。 思った以上に混んでいて、びっくり。坂道の渋滞はちょっとつらい。 奥社の茶屋をちょっとのぞいて、いざ出発! 杉の参道はゴシック建築のような異空間です。屋根が無いようなあるような不思議な感覚。 中には人が入れるような穴のある杉もあります。 頂上の神社の長い行列にまたびっくり。 トップシーズンなので当たり前といえば当たり前ですが、最近のパワースポットブームの影響もあるみたいです。 最後は、いつもの鏡池で夕焼け空を眺めてまったり。 良い一日でした。…

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模型

模型作成は建築を考える上で、非常に重要なツールです。 一般的にアトリエ事務所では模型はスタッフの仕事として位置づけられていますが 私自身の重要な仕事として位置づけています。 ただし、これにはメリットデメリットがあってどちらが良いかはわかりません。 模型が単なるプレゼンツールとして考えるならば、私が作る必要は余り無いかもしれません。 しかし、模型を作ること自体が建築を考えることに繋がる気がしています。 さらに、何かを自分の手で作ることは建築だけでなくモノづくりの作業として重要だと思います。 かつては、図面がその手作業の重要な役割を担ってきましたが、CADの普及によってもはや クリックの回数で図面が出来上がります。 そういった意味でも模型はスケッチと並んで手作業の重要な位置を担っていると私は感じます。 しかしその反面、やはり作ったものというのは思考を定着させてしまうものです。 つまり、案を簡単に捨てられなくなることです。 設計という作業は、いいものを探りだす作業なので、悪い案で模型ができてしまうと ある種の説得力をもってしまい、判断が鈍る可能性があるということです。 安藤忠雄さんがテレビ番組の取材の中で、模型を見ながら突然 「こんな柱とればいいんだよ!」 と言いながら、スタッフの目の前で…

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現調partII

再び現調です。今回は千葉へ行ってまいりました。 クライアントは大学時代の友人です。 以前のエントリーでも書きましたが、それからもう早2年。 僕と友人の間では、その間にいろいろな模索が続いていましたが 様々な問題が多かったのも現実です。 一時は暗礁に乗りあげてしまい、諦めかけることもありましたが クライアントの情熱がやっと結果になりかけている所までたどり着いた感じです。 吉報は予兆もなしにやってきますが、何もしないのに突然それが起こることはありません。 クライアントの根強い模索とそれをキャッチする努力が不可欠です。 僕から見ると突然かもしれないけれど、それが出来る人にとっては必然でもあるのです。 プロジェクトはまだよちよち歩きの赤ちゃんくらいで、始まったばかり。 楽しんでいきましょう!…

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現調

現調に行ってまいりました。 二度目の訪問です。 写真は近くの竹林を撮ったものです。 少し遠方ですが、こういう作業は省くことが出来ないものです。 現在の日本の法律上、建築は敷地の制限の中で構築されるものですが そういった法律上の境界はほとんどが目に見えるものではありません。 隣地境界線や道路境界線はどんな地域でも見えやすいですが。 例えば、高さ制限は通常あまり見えないものですが、東京のように高密になると逆に それが街のデザインのように見えてきたりもします。 #5115では、天空率を利用して道路斜線を回避しています。 前面道路があまり大きくない場合、道路斜線によって建物の高さが斜めに 制限されるのが道路斜線です。 ここではコンセプトとして、高さを確保することが優先されたので 斜線制限が見えてしまうことは避けたいと思いました。 斜線の中で構築することも不可能ではなかったのですが、それを根拠に高さを 決めるということ自体を否定しました。 天空率は当時出来立ての法律でしたが、なんとか適用してクリアしています。 法律の性格上、このデザインにあっていたことも理由の一つです。 高さを決めるという行為は、建築にとってはとても重要なことです。 建築を建築たらしめるものが、高さ所謂断面でもあります。 それ…

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green_green_green

  Photo:nature revisited By S C Hargis Photography 地球環境についての関心が高まるにつれて、自然だとか緑だとかにも関心が集まっていると思います。 しかし、依然として街路樹はどの地域でも厄介者扱いされているそうです。 そういう扱いをしている人はその街路樹沿いに住んでいる人達だけみたいですけど。 僕は札幌で生まれましたが、当時は札幌オリンピックを終えたばかりで周りはどんどん家が建っていって、新しい住宅街や団地が広がっている風景でした。 今では190万人で全国の市の中で4番目だそうです。 僕がいた頃はたしか130万くらいでした。 よく北海道生まれですというと、「北の国から」のイメージが強いらしく、のどかな田舎で育ったんですねと勝手にイメージされます。 確かに、都心部を離れると延々と牧場が広がる”おなじみの風景”があるのは知っていますが、子供の頃にそういうところに足を踏み入れたことがありませんでした。大学生になって帰省したときに初めて行ったところもたくさんあります。 数年前、町田市に住んでいましたが、風景が小さい頃の記憶によく似ていました。 現在はまた違っているかもしれませんが。 そんな所で育ったわけですので、身近な緑といえば公園の…

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material!

  Photo:Caught in the Vortex By Steve Corey, O.O.T. 建築にとっての素材は、ひとつの大きなテーマに成り得るほどの特徴だと言えると思います。 グラフィカルな意味でのデザイン、例えばCGの世界でも素材感というのは重要なテーマかもしれません。 しかし、建築にとってはこの世に生まれるための構成要素として欠かせないものなのです。 つまり、素材なくして建築なし。 さて、建築を抽象化することは近代建築のある方向性として今も重要なテーマとしてあると思います。伊東豊雄さんは既にその路線からは離脱したと語っていますが。 モダニズム(古典的?)としても抽象化はベースになる思考だと思いますが そこで問題になるのは人間の為に構築された建築があまりに抽象的であるが故に、人間さえも不純物として認識されてしまうことがあるということです。 人間自身を漂白することは、とても難しいことです。 人間は本来自然の一部として存在するのですから。 人間は他の自然と違うのは、脳を持っているということです。 人間の脳は、とても抽象的な存在だと言えます。 そして、その脳の世界を現実化しようとする行為は、人間にとっては必然のような気もします。 でも脳の世界が抽象的だとしても、そ…

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kibako

木箱のような家具。 昔の学校にあったような。 そんなイメージで作りました。 これは試作品です。 私自身、年代的に小学校時代は第二次ベビーブームとかいわれて、子供が多い時代でしたので現代のRC造の中で、塩ビシート貼りの机で勉強していました。 だから、あくまで「ような」という表現がポイントです。 でも、こういう素材感のノスタルジーは遺伝子レベルで反応するように思います。 その素材感を活かしつつモダンのエッセンスをちょっとだけ忍ばせる。 そんな感覚。 あまり、どこかのTVショーのように「なんということでしょう」的な動きをつけるとどんどんコンセプトから離れていくのでやらないのですが、将来的な利用方法として小ぶりなダイニングテーブルとしても使えるように、前面の引き出しは取り外し可能で、サイドの収納はワゴンとして独立しています。 こういう家具の設計は、手に馴染ませる感覚といいますか、そういう作業がとても難しいところ。 ある巨匠が「椅子は気軽に設計するものではない。」と述べていますが、まさしくそんな感覚になります。 この家具は、要望があれば製品化したいので興味ある方はお気軽にご連絡下さい。…

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環境

環境について思うこと。 いろいろな環境問題の本を読んだりしてみたが どうも地球温暖化問題は政治的な道具に利用されている感がある。 二酸化炭素が環境に対して元凶であるという論調は既に市民権を得ている。 二酸化炭素が地球を温暖化させている→人為的に気候を変えてしまった。 こういう事に罪悪感を感じたりすることは当然かも知れない。 しかし、それが真実であればの話だ。 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によって出されているデータは根拠のないもののようだし、未来の気候を予測する技術自体相当怪しい。 だいたい、明日の天気すら100%で当てることが出来ないのに100年後の気候を予想出来るのか。 本当に二酸化炭素だけが地球環境を左右する悪玉なのか。 数年前は、フロンガスのオゾン層破壊に関して規制がいろいろされていた。 しかし、現在はオゾンはフロンによって破壊される訳ではないことが分かってきている。 だが、そんな事とは別の次元で既にフロンは回収されてほとんどが代替えフロンによる新たな機械に変化した。 フロンが悪玉であるかの検証は後回しにとりあえずほとんどの設備が代替えフロンにすり変わった。 今となっては、その(経済)活動自体が意味のある事だったのか曖昧。 でも活動した事実だけは残っている。 熱力学…