Category Archives: 2009

TNデザイン一級建築設計事務所

GD2009表彰式

Good Design Award 2009の表彰式に出席いたしました。 戸建部門の全受賞者です。 私の作品はどこかわかりますか? 前回の表彰式と少しずつ変化していて、楽しかったです。 改めて見ると、よくぞこの中に選ばれたもんだと感慨深い思いでした。 生意気にも二度目の受賞なのですが、やはり嬉しいですね。 今回は全く自信がなかったので、自分でも驚いています。 しかしこれは一つの評価であって、まだまだやれる事があるし 事実そういう評価を審査員の方から指摘されています。 裏を返せば、とても誠実に審査をしていると言えるでしょう。 Gマークはとても認知度が高くなるにつれて、レベルもアップしているでしょうから 私自身、気を引き締めて新たなる目標に向けて努力したいと思います。 今回の表彰では、審査員の方から直接賞状をいただけると聞いて待っていました。 いざ、私の順番になり、壇上にあがり一礼。 審査員の方「受賞おめでとうございます。作品名ア・ハウス」 私「・・・ありがとうございます・・・(確かにそうだけど、エー・ハウスと言ってもらいたかった・・・)」 まぁよくある事です。 でも、本当にとれて良かった! クライアント様、関係各所の皆様、心より感謝致します。 ちなみに大賞は私の故郷北海道の「岩見沢駅舎…

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空間の質

前回紹介した岸氏の著書の中で、美術館に対する思考があります。岸氏は以前より、F・ゲーリィによる『ビルバオ・グッゲンハイム』を高く評価していたのを知っていたのですが、なにがどう良いのかを再認識しました。 さらにそこにある空間の質と私が何を求めて建築をつくっているのかという本質的な問題を認識する事になりました。 私にとって美術館というものはあらゆるビルディングタイプの中でも特別な存在で、設計者なら美術館の設計を依頼されて喜ばない人はいないでしょう。 そして、私のつくる住宅を見た一般的な意見として、よく言われるのが「店舗のようだ」という言葉について。 今まではさほど気にしていなかったのですが、それは空間の質によるものなのか?ということです。 岸氏によると、テーマパークというのは現実空間から仮想空間に巧みに導入するために、中間領域として商業空間を挟み込む。そこで観客は気がつかないうちに本格的な仮想空間に導入される。それがテーマパークに共通する空間構成である。 そしてそれが、「気がつかないうちに」成立するのは、商業空間は現実の空間のなかでも無意識に半仮想的な空間だというコンセンサスも存在するからだと思う。 そうなると、私の建築空間に対する一般人の評価である「商業空間のよう」というものは、ある種…

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「竣工」

岸和郎著『逡巡する思考』2007年の初版であるが、今の自分にフィットするその感じが、読んでいて心地がいい。 建築をつくり終え「竣工」を迎える前後の設計者の気分が的確に表現されています。 ここからは上記の著書の引用。 ”設計監理者としての自分は建築を実現するために集まってきたチーム、ゼネコンの現場所長から左官の職人見習いに至るまで、小さな住宅でさえ数百人という人達が集まったチームの真ん中に立つ立場にいます。旗振り、といっても良いかもしれません。一つの建築を実現するために、そのチームのことを考え、気遣い続けるのが設計者の仕事だと思っているのですが、「竣工」というみんなの目標が達成され次第、そのチームは解散します。成果に満足している人もいれば、まったく不満足な人もいるでしょう。そんなとき、いつも設計者としての私が感じるのは、反省と不満足でしかありません。チームのすべての構成員に満足して仕事をしてもらいたい、そのうえで結果としての建築が人を感動させるものでありたい、と思っているのですが、その思いが十全に達成されることなどありません。” まさしく今の自分は反省のオンパレードで満身創痍な感じです。 決してクライアントが求めるものに答えられなかったというようなレベルでの話ではありません。 建築家と…

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建築はアートではない

  Photo:Gift shop by Pricey アートとは一般的に大衆を相手にしていない。大衆を相手にしないからこそ、アートになり得る訳で、それが作家の個性でもある。 建築はそれが個人住宅であっても周囲の目にさらされ、ある程度の公共性を持ち、作家だけで成立しない部分が多々ある。 だから、アートではない。 建築はアートではなく文化である。 私の尊敬する建築家の一人である手塚貴晴氏の言葉であるが、手塚氏の論調は時代に即しており、なるほどと感心させられ、氏の建築もその思想に合致している。 氏の言葉を聞いたとき、僕の想いは揺れに揺れた。 でも、僕はそれでも建築はアートであると思いたい。 どんなにお金をかけてもたどり着けないものがアートであると僕は思う。 デザインすることがお金をかけることと同意だとすれば、そこに建築家は必要ではない。 建築家でなければたどり着けないデザインこそが真のアートであるのではないか。 お金をかけてもつかめないものをつかみ取ることがアートだと思う。 僕のデザインに値札がついていたなら、きっとユニクロなみだと思う。 でも、クライアントの方々の立場で言えば、きっと高価に見えた方がいいのだろう。 だれも安さを自慢したりしない。それがステイタスというものだ。 …

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KKC

先日、デザインパートナーの土田氏の作品『KKC』の見学へ行ってきました。 現地は福島ですが、高速道路の値下げもあって行きやすくなりました。 お施主様のご好意により、引っ越しの最中にお邪魔してしまいました。 前日のオープンハウスは大盛況だったようで、関係者の方々お疲れさまでした。 立地条件も非常に恵まれていて、お施主様とお手伝いの友人知人の方達が楽しそうなのが印象的でした。 いい建築には楽しそうな人達がよく似合います。…

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エキスポ終了...

Good_Design_2009 エキスポが終了致しました。 審査はすでに終了しているので、結果待ちです。 プレゼン手法はいつも悩みますが、審査員の方々には中身を吟味して頂けるよう切に願います。 今回はリノベーション作品なので、その点が非常に難しく感じました。 派手な形態というのは一切ないので、空間の質を伝えるのは写真だけでは難しいかもしれない。 しかも、今回は他人の写真を一切使用していない、オールTNデザイン。 多分いまの腕では、この建築の良さの半分も表現できてない感じですが。 夏の終わりの吉報を期待して。。。…

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引き渡し・・・

a-houseが竣工しました。2日間のオープンハウスも終わり、本日引き渡し完了いたしました。 関係各所の皆様に感謝致します。ありがとうございました。 これからクライアントと共に過ごす事となりますが、かわいがって頂けるといいですね。 竣工の状態を維持することがいいことだとはあまり思いません。 むしろクライアントの愛情に育まれて、より味わいのある建築に変化してもらいたいなぁと願っております。 愛情をもって使ってもらった建築は、とても美しいと思います。 形あるものはいつかは消え行く運命ですが、その朽ち方に美学と魂を注入するのが僕の仕事だと思います。 内なる思いは永遠に。 a-house_renovation  ©2009 ozawa shingyo/TN design…

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a-house

仕上も最終段階を迎えました。工期も残りあとわずかです。 引き渡しの前はいつも複雑な気持ちでいっぱいです。 完成すればお施主様のモノになりますが、1年以上の間自分の中で熟成させ、つくりあげたモノを引き渡す寂しさは、プロジェクトにのめり込むほどに強くなります。 オープンハウスはいわば、僕にとっては娘の結婚式であり披露宴のようなものです。 だから、たくさんの方に祝福してもらいたいので、近くの方、近くでない方も お気軽にお寄りください。 嫁ぎ先でも大事にしてもらえるといいなぁ。仕上も最終段階を迎えました。工期も残りあとわずかです。 引き渡しの前はいつも複雑な気持ちでいっぱいです。 完成すればお施主様のモノになりますが、1年以上の間自分の中で熟成させ、つくりあげたモノを引き渡す寂しさは、プロジェクトにのめり込むほどに強くなります。 オープンハウスはいわば、僕にとっては娘の結婚式であり披露宴のようなものです。 だから、たくさんの方に祝福してもらいたいので、近くの方、近くでない方も お気軽にお寄りください。 嫁ぎ先でも大事にしてもらえるといいなぁ。…