打合せまで時間があったので、近くの合同庁舎へ
実は原広司さんの作品。
GAギャラリーにも出展されていたので外観でピンと来ました。
思ったほどではないですが、しっかり原テイストでまとめられております。
内部からガラス塔を見上げる。
エントランスから上部へ視線が抜けているのですがそれが、建物の良さにつながっていないように感じます。
ビルディングタイプとして、こういう空間があまり求められていないように感じました。
とても勿体無いことです。
しかし、それには理由がありました。
シンボルでもあるガラス塔ですが、中に入ることが出来ませんでした。
何のためにあるのだろう・・・機能がよくわからん。
と思っていたところ、よく調べてみると
これは、測候所がもともと入るのが条件で設計されていました。
別な場所にあった測候所を移転することが条件に含まれていたそうです。
しかし、測候所の機能というのは、現実には衛星観測が主流でアンテナさえあれば、塔は必要ないそうです。
つまり、この塔はそういう機能的なものよりもシンボルやランドマークとしての意味合いが強いのです。
新しい測候所はここですよと。
それで、建物に入ったときの違和感といいますか窮屈そうなエントランスにも納得が出来ました。塔がないとその辺のビルとの差異は、ほとんどなくなるだろう・・・とか
原さんが設計する必要がある建築なのかな・・・とか。
この建築は塔のために建っている。
むしろ、それを作るために国も原さんに設計を託したようなもの。
原さん自身、コスト的に塔は無くなるだろうと考えていたらしい。
でも、残った。
それは、クライアントの協力なしには得られない建築の意味。
国交省に「国の建物でいろいろ要件が厳しいですが、設計するとしたら
何が一番やりたいですか?」と聞かれたそうです。
原さんは、もちろん塔の重要性を主張されました。
”建築は機能だけでまとめられたものほど、つまらないものはない。
しかし、機能が全くないのは建築とも思えない。”
そこに、建築の奥の深さがあるように思う。
最後に撮ったミニデジ画像の色が・・・。
水の中にいる?