こちらの改修部分は全て耐震補強をしてあります。(詳細は書きませんが)
通常とは逆の方法で補強しているので、細かく見れば非常に難しい工事になります。
補強をするために、壁を少し厚くしなければならなかったりします。
今回は外部は全く触らないので、やむおえなかったのですが。
でも、そのおかげで建物全体の強度も増し、柱が減っていても性能は上がっています。
この建物は築25年くらいなのですがその当時の施工方法を見ると、現状の金物第一主義の構造に疑問が湧いてきます。
筋交にしても鎹などは使っておらず、釘のみでした。
ただし壁量の取り方が偏っている気がしました。
あくまでも現在の基準に照らし合わせてという意味ですが。
補強をしなくとも、この建物が特別に弱いとは思えませんし、むしろ25年間構造を維持してきた事実の方が確かな強度に思えます。
そういう意味では、構造において実験によって強度を測る方法は説得力があります。
ただし、建築の場合はやはりバランスというのがとても重要だと思います。
パーツにおいて強度があっても他とのバランスが良くなければ恐らく荷重が逆に集中してしまい崩壊の危険性もあると思います。
バランスをとることとはずすことはデザインにおいての最重要次項。
そして、それは構造にも言えることだと思います。