東京ミッドタウン

1ヶ月ほど前に東京へ行ったときに寄りました。
ほんのさらっとですが・・・。
安藤建築の21_21DESIGN SIGHT
これって日建設計とのコラボだったんですね。
コラボなんだけど日建設計の影がほとんど見えない感じ。
さすがですね

サントリー美術館も隈さんと日建設計だと思いますが
こちらは何となくうまくハンドリングしてる感じ。
美術館はまたの機会という事で入り口を素通り。
でもファサードはやはり秀逸。
ルーバーはいろんな人が使ってるし僕も使おうと思えば使えるのだけれど
これだけのモノを見せられると安易には使えないと思ってしまう。
よく言われるのは「予算があるからでしょ」という意見。
隈さんはすでに巨匠の域でしょうから当然と言えば当然。

確かにコストは重要。コストによって解決する問題はたくさんあります。
しかし、本当に重要なのはどんなにお金があっても辿り着けない部分があるという事です。
一般的に建築には値札がついていませんから、実際にどの位のコストがかかっているか良くわかりません。
建築は一品生産なので比較すること自体が難しいのです。
そして特別な事をしようとすればコストが掛かるのは当然です。
良いモノをつくろうと思えば思うほど、コストは膨らむ方へ傾きます。
良いモノだから当然ですね。
しかし、コストは有限ですから必ずそこで葛藤が生まれます。
建築は一人でつくることは出来ないので、いろいろな思惑の人がいます。
その中には利益を追求したいと考える人も少なくありません。
そんな中でいかに良いモノをつくるかというのはある意味過酷な戦いです。
そしてそれは恐らく予算の大小に関わらず必ずつきまとうと僕は思います。
もちろん施工者側の協力が大きいというのも巨匠ならではという面はありますが。

ただ一つ理解してもらいたいのは大抵の人は「建築家のつくる建築=高い」という方程式があります。
それはそれで間違いではないのだけれど、その「高い」という中には生産された建築の質に関してはなにも語られていないという事が問題なのです。
質をないがしろにしてコストだけを追求するなら、住宅メーカー等の「企業」のモノを求める方が効率が良いかもしれません。
常識的な範囲でユーザーが喜びそうなモノは必ずそろっています。逆に常識的でないものはことごとく対応していません。
「企業」の求める最終目的はあえて述べませんけど、「建築家」の求める最終目的はやっぱり「建築」をつくる事です。
つくった建築がどう評価されるのかが建築家にとって全てだと僕は思っています。