東京行脚の続き。
表参道ヒルズには目もくれず、上野へ。
駅からの程よいアプローチが心地よい。やっぱり都市には大きな公園がないと美しくない。
宝物館はそれが独立した施設だと思っていたのですが、国立博物館の一施設なのは知らなかった。
本館で特別展示をやっていて、人だかりになっていたが宝物館に向かう人は少ない。
資料館が工事中なので、アプローチの雰囲気は台無しだが、奥から発しているオーラが漂ってくる。
この設計者は、最近ではニューヨークの「MOMA」を完成させたが、非常に上品な建築をいくつも設計している。
「東山魁夷美術館」は何度も足を運んだが、いつ見ても心が研ぎすまされるように感じる。
「宝物館」で一番印象的だったのは、やはり仏像が林立している展示空間だった。
薄暗い照明の中で柱と同化するように均等に並んだ仏像には圧倒されてしまった。
あえて側面にラベルが付けられているために、一瞬見たらそれが展示物というより、空間と一体となった
装飾のように扱われている。群となった仏像達がその強烈な存在感を発して林立している様は荘厳だ。
こういうグリッドの構成は非常に固く感じられるが、こういった格調のある空間にするには都合が良いかもしれない。