長野市内の建築で数少ない見るべき建築としてあるのは、谷口吉生さん設計の東山魁夷館。
その隣の信濃美術館は、日建設計の林昌二さんの作品です。
長野駅前にある林さんの奥さんの林雅子さん設計の守谷第一ビルディングは、私はとても好きな建築です。
でも、信濃美術館はあまりいいとは思っていませんでした。
その美術館も建て替えが決まり、プロポーザルコンペが行われました。
最近その結果が発表され設計者が決まりました。
プランツアソシエイツ率いる宮崎浩さんです。
本当なら自分も参加したいのは山々ですが、美術館のプロポーザルは実績が無いと参加資格すら与えられません。
いつか美術館を設計したいと、設計を志すものは皆思うと思いますが、現実は厳しいものです。
なので、遠目からひっそりと眺めることしか出来ないのですが、ひっそりと注目をしてまいりました。
コンペの経緯や審査の過程の詳細は、ほとんど知る由もないのですが、選ばれた案と人物は、とても期待が持てるものでした。
長野県民の気持ちを考えつつも、建築に対する夢をとても感じました。
そして、林さんに対する敬意の表し方に、とても感銘を受けました。
宮崎さんは、安曇野にも規模はそれほど大きくないのですが、美術館を設計しています。
とても静謐で、大人の空間が特徴的な建築です。
槇さんの全盛期を継承しつつ、とても上品な建築を作っていると、私は思っているので期待ができると感じました。
ただ、プロポーザルは案自体よりも人物を選ぶ傾向なので、今後全く違う案に変えられることも多々あります。
現状案が非常にイイものだけに、どう進めるのかによって建築家の力量も試されることとなるでしょう。
キーはクライアントである長野市の役人たちにあると思っていますが、最近完成した市役所では期待を裏切られているので
今回は、70%くらいの期待度で・・・。
良い建築を欲しているのは、僕だけではないと思いますので、是非お願いします。
まぁ良い建築の基準が長野市民は違うのかもしれませんが。
宮崎さんが槇事務所出身なのは、なんとなく繋がりを感じます・・・。
写真は、2004年撮影のプランツアソシエイツ/宮崎浩 設計 高橋節郎記念美術館 ファサード