電子書籍

自炊とは、某巨大掲示板から発生した造語でありますが

もはや一般的な用語として認識されつつある気がします。
最近、その自炊を始めました。
理由は、単純に事務所の蔵書が収納限界に近づいているということ。
僅かな資金でコツコツ書い集めた書籍に
ハサミを入れるということは、本というモノに対して
とても申し訳ない気持ちになるのですが・・・。
本を読むということには、ページをめくるという楽しみも
実は存在します。
紙の感触、背表紙を眺める・・・。
本にはそういった楽しみ方もあると思います。
そのほとんど全てを捨て去っても、メリットがあればそれは
電子化した方がいいのではないかと思いました。
つまり、中身の情報のみが重要な本。

雑誌なんかは、紙にこだわっている様子も無いので
こういうのは、真っ先に電子化。

僕の事務所は、建築の設計するための事務所なので
専門誌は写真が多用されています。
これが、なかなか難しい。
なので、試験的に1,2冊やってみたら、思いの外いい印象。
ほとんどがこの雑誌と写真集の中間的な本が大多数なので
これを電子化すると、スペースは一挙に拡大できます。
きっと大判の写真集には、ハサミを入れることはないと思います。

しかし、問題はその手間です。
最近は慣れてきたのですが、それでも1冊に2時間以上かかることも。

代行業者もいますが、なぜか違法扱いされているそうです。
著作権の問題ですが、今ある本を電子化してなぜ違法?
これも結局、ipodの問題と構造は同じです。
出版社側が電子化代行業者によって、本の売上に影響すると言いますが
確かに今までのように本は売れなくなるでしょう。
しかし、書籍がなくなることは決してないと断言できます。
思想を述べたり、記録を残すことは人間が文明を持ち言語を生み出し
続けてきた行為です。
その一端である書籍がこの世からなくなる訳がありません。
それは、音楽も同様でしょう。
ただ、その伝達方法が変わるだけです。

そして、ひとつ言えることは電子化によってもっと本が読みたくなりました。
電子化は何百冊という本を持ち運べるという最大のメリットがあります。
これは、いつでもどこでも気軽に本が読めるということです。
専門書の中には、分厚くて持ち歩きできないものも存在します。
それを片手で読める手軽さは、一度体感するとハマります。
これがjobsの言うイノベーションだと心底思いました。

色々な分野の業界で起こるイノベーションは時に、自分の首を締めることに
なるかもしれません。
しかし、アナログからデジタルというイノベーションはそれぐらいのことを
覚悟するべきだと思います。