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Photo:Ironic the amount of paper on my desk analysing results from a “digital” infrastructure survey. by kaythaney
設計作業の締めくくりでもある見積。
ここで、設計図が絵に描いた餅になるか
この期間が設計作業の中で案を生み出すことの次に過酷な作業だと思います。
そして、自分の設計図を見積りされるというのはこの上ない緊張感がともないます。
クライアントの資金に見合うように設計するのは、ある意味至極当然なのですが
その中で、より多くの価値を付加させることも、最大限努力するべきことだとも思います。
例えば、新たなチャレンジを試みようとするならばコストコントロールはよりシビアになっていきます。
それは最優先すべきことだと思います。
求められた要求と予算をピタリと合わせてスムーズに進められたほうが、スマートで
設計者として優れているという意見もあると思います。
でも、どんなにスマートに進められ、問題も最小限でコストも悩むことなくつくられた建築であっても
出来上がった建築に魅力がなければ、建築家の価値は半減してしまうと思います。
少なくともクライアントに期待されたクオリティ以上を提供したいと思うのは、私だけではないでしょう。
むしろ、とても実現不可能な状況の方が多いかもしれません。
名作と呼ばれるに値する価値が生まれるのでは、と私は思います。
建築家の作品であっても、それは建築家以外の人間の手によって施工されていることがほとんどです。
そして当然ですが、施工する人間が積算するのが見積です。
つまり見積は、施工する人がものづくりと向き合った形が、そのまま金額に表れます。
そして、その軌跡に正解はないということです。
設計側で拾えるのは、物理的な数量のみです。
それをどんな手間をかけて、どうつくるかは、建築家のイメージと施工側の技術力をトータライズすることが必要になります。
建築の世界は、最先端と言われている設計でも、既存の技術を洗練させたり、変化させたりすることで成り立っているものがほとんどです。
特に住宅は、セルフビルドが出来るくらいですからある意味でとてもローテクな世界でもあります。
そんな世界で、どんなにシステマチックに積算しようとも最終的に職人レベルで、可否を判断するのならば、それに見合う問いかけの方法を
見つけなければ最小限のコストと最大限の魅力の実現は難しい。
そんな思いの中で、”SI-house”が施工段階のスタートラインになんとかたどり着きました。
これからリアルな現場での戦いが始まりますがその前に、チャンスを与えてくれたクライアントときめの細かい対応で
ここまでお付き合いしていただいた施工会社の社長と担当者様に、心から感謝致します。
多くの幸運と出会いに感謝しながら・・・。
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