TNデザイン一級建築設計事務所

現調

現調に行ってまいりました。
二度目の訪問です。
写真は近くの竹林を撮ったものです。
少し遠方ですが、こういう作業は省くことが出来ないものです。
現在の日本の法律上、建築は敷地の制限の中で構築されるものですが
そういった法律上の境界はほとんどが目に見えるものではありません。
隣地境界線や道路境界線はどんな地域でも見えやすいですが。
例えば、高さ制限は通常あまり見えないものですが、東京のように高密になると逆に
それが街のデザインのように見えてきたりもします。
#5115では、天空率を利用して道路斜線を回避しています。
前面道路があまり大きくない場合、道路斜線によって建物の高さが斜めに
制限されるのが道路斜線です。
ここではコンセプトとして、高さを確保することが優先されたので
斜線制限が見えてしまうことは避けたいと思いました。
斜線の中で構築することも不可能ではなかったのですが、それを根拠に高さを
決めるということ自体を否定しました。
天空率は当時出来立ての法律でしたが、なんとか適用してクリアしています。
法律の性格上、このデザインにあっていたことも理由の一つです。
高さを決めるという行為は、建築にとってはとても重要なことです。
建築を建築たらしめるものが、高さ所謂断面でもあります。
それが、法律で決まるというよりも、内部空間のスケールによって決まる(決める)
ということがこのプロジェクトでは重要でした。
それが僅かな違いであったとしても、そういう束縛からは自由でありたい
ということが重要でした。
それが、建築表現として成立しているかどうかはわかりませんが
少なくとも周囲の建築にはない佇まいをもたらすことになることは
もっと時間が経って周囲の建物が変化していけば、徐々に顕在化していくと思います。