TNデザイン一級建築設計事務所

くるま

先日、引渡を終えたのですがその直前に車が路上で故障しました。
現場が始まるとロクにメンテもしなくなってしまうので、当然と言えば当然ですが
実はこの現場が始まる直前にも同じような故障をしています。
現場の始まりと終わりを車の故障で感知しているかのよう。
不思議ですな。
上の写真は空冷ワーゲンをご存知ならば見た事あるでしょうが、ミッションです。
故障の原因はクラッチレリーズが折れてしまったのです。写真中央の丸いパーツを支えているバーです。
ちなみにこの写真は直った後の写真です。

路上で止まったのは初めてだったのですが、打合せ予定の家具屋さんと
急遽来て頂いた車屋さんに救助して頂きました。感謝いたします。
当初はクラッチケーブルを疑っていたのですが、これが全く異常なし。
もしやと思い、エンジンを下ろしました。

レリーズはアーリータイプだと折れやすくジャダーが出やすいので
レイトタイプに変更した方が幸せになれます。とパーツショップの方に教えて頂きましたので
早速、レイトタイプに変更大作戦を計画しパーツ注文しました。
でもおろすんだったらってことで、クラッチ交換とエンジンシールの交換とオイルも換えなくちゃ・・・って感じで作業は増えていき・・・。
DSCN5078s
パーツ待ちを合わせると約1週間かかりました。

でも空冷VWの凄いところは今でも新品パーツが容易に手に入る事です。
私の車は1967年式なので42年前の車ですが、パーツは今も様々なメーカーから生産されています。
さらにそれを組む為のマニュアルも完備されているので、基本的な工具とやる気でオーナー自身が直せるところです。
さすがにやり慣れない事なので筋肉痛はさけられないですが・・・。

作業途中はいろいろ問題があって写真とっておけば良かったのがたくさんあったのですが。
組むのに必死で作業終了寸前の上の写真のみです。

長野は寒いので冬支度のスタッドレスに履き替えました。
DSCN5081s

エンジンも乗せてキャブクリーナーできれいにして、調整したらすこぶる調子が良くなりました。DSCN5080s
日本車や現代車は確かに扱いやすく「ゲタ」としては便利かもしれませんが、モノとして愛着が持てないし、動かなくなったら直す気にならないのは私だけでしょうか。
モノをハイテク化していく事だけが進化ではないと私は常々思っています。
使い古された技術でも、新たな工夫によってデザインできるという事も進化だと思います。
それは全てのデザインに共通しており、消費するだけではゴミが増えるだけでいずれ破綻します。
気に入ったものを使い続ける事はその設計者に対する敬意と地球に対する優しさだと私は思います。
そして、誰でも直せるようにつくることが使い続けることを支えるためにはとても重要で、生産し続けること
その継続こそが本当のエコロジーだと思いませんか?日本はデザインさえも大量に消費し続ける国です。
消費する以外の方法で日本の未来を構築できないのだろうか。

そんな思いを持ちながら空冷VWに乗っています。
『ボロクソワーゲン』なんかじゃあないんだぞ。