大工さんと交わす技術に対する問いかけは、とても有意義です。
設計者にはない特別な経験や知識をたくさん持っている方が多いです。
だから、敬意をもって議論を交わすとその大工さんなりの木造に対する解釈を聞くことが出来ます。
それは、学校の講義では聞くことの出来ない貴重な知識だったりします。
現場はまさにモノがつくられようとしている場所なので、そこに設計者として身を置くことはとても大事だと思います。
ビジネス的には設計事務所は設計をして報酬を頂くので、設計をいかに効率的に終えるかということが常に問題になります。
でも、効率では創り出せないものがあるのが建築だと僕は思います。
現場で大工さんと一緒になって悩んだところで、実際は大した変化はないかもしれない。
良くなるどころか悪くなる可能性も十分にある。
しかし、僕にとって設計するということはモノが創られるその瞬間でさえも思考の余地があるのではとも思ってしまう。
思考と実践そのただ中に設計の本質はある。そしてその両方を一瞬で理解できるのは現場にしかない。
そしてそれは設計の技術として常にフィードバックすることが可能です。
だから、時間の許す限り僕は現場に時間を割きます。
幸い、今の仕事量は原始的に現地を飛び回っていても事足りる量なので。
事件はまさに現場で起きています!