TNデザイン一級建築設計事務所

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Photo:Systém – The System by Jan Krömer

世の中には、いろいろなシステムがあります。
ここで僕の言うシステムは、住宅をつくるためのシステムの話。
独立する以前から、ネットコンペに魅力を感じていて様々な登録をしてきましたが、ここにきて見直しが必要だと思い、ほとんどの登録を退会しました。
単純にコンペが仕事につながらないということではなく、どうもこのシステムは良い住宅をつくるために機能している訳ではないことがわかってきたから。
その前提に良い住宅の評価基準の問題がありますが、そもそもコンペを主催する側にその評価基準が曖昧で必ずしも建築的に優れた提案が採用される訳ではない、ということがあげられます。
それは、コンペの審査員が専門家ではなく、あくまで施主であるということはわかっているのですがそこにプロデュース会社が関わることで、建築的な視点で議論されなければ意味がないということです。
当初、僕はそこに期待をしていましたが、プロデュースする側はそういう意識が乏しいことがほとんどです。
それは、実績を見れば明確です。
つまり、施主が気に入ればそれでOKという話。
もちろん気に入ることは大切なのですが、気に入るものがいいモノかは別で、もしもクライアントの中での理想を実現するのなら、僕らの仕事に創造性は必要ない。
僕らの存在意義はクライアントの創造を超えること。それしかない。
だから、最初から理解することはある一定のハードルがありますから、理解できる出来ないではなく、やはりその未知な創造力に対する期待を持てるかどうかだと思います。
どんな基準に対して優れているかは、内容によって異なりますが、図面だけの審査というのは本来専門家でも難しいものです。
まして、普段建築に携わっていない人が内容を把握することは不可能でしょう。
だからこそ、その提案がどう優れているかを翻訳する人が必要だと僕は思います。
そこに、プロデュース会社の存在意義が生まれるのではないでしょうか。
もちろん、直接依頼してもらえば、クライアントの気の済むまで説明するので、僕が直接翻訳できるのですが。
やはり、対話が重要なのは言うまでもありません。