建築行脚の記録-8
川/フィルター 設計は隈研吾氏。
半ば隈さんシリーズになっていますが・・・。
福島県に初めて行きました。
街があまりに大きくて少々驚きました。
ビッグパレットふくしまも見に行きましたが、あまり好きではなかったので
ものの10分くらいで立ち去ってしまいました。
だから、記録が無い事が記録とでも言いますか・・・。
コメントがしづらい建築でした。
話がそれましたが、隈氏のルーバー作品の代表作です。
このルーバーは、多分学会賞を取った能舞台でも使用されていたので、その頃から
その片鱗を見せていたと思います。
てっきり木造だと思い込んでいましたが、ほとんどがRC造で地中に埋まっているような建築でした。
後に全てを埋めてしまう作品も創っていますが、その形式にも繋がるようでした。
駐車場から見ると本当に平屋のようで、ガラス面にわざわざ地下に席がある事をでかでかと貼付けて主張していました。
この形状を見て帰る人もいるのでしょうか。
商業施設を見ていつも思うのは、そういった貼り紙に関してですが、日本の商店はムダな貼り紙が本当に多いと感じます。
その点、ヨーロッパは規制も多いのでしょうが、ほっといても誰も貼り紙をしない雰囲気があります。
さて、ここはそば屋さんなので早速店内に入りました。
地下の方が客席は大きいようで、川に面して客席が並んでいるのですが、外部テラスの客席もあるのですが、気持ち良さそうだったので店員のおばさんに外で食べたいこと伝えると、「外は暑いからやめた方が良い」と言われました。
うーん。でもちょっとぐらい暑くても川のそばでそばを食べたい!
と思ったので、半ば強引に外で注文しました。
確かにその日は、暑い日でそれなりに暑かったが、川の水の音と涼風がとっても気持ちの良いものだった。
これは、外の方が絶対良い。と思いましたが、どうやらメンテナンスをさぼっているらしく、上部の床(地階の天井)からゴミが落ちてくる場合があるらしい。貼り紙がしてあった。
よくメンテナンスフリーの家なんて言うのを見かけるがそれは間違いだと思う。
建築に限らず、人の手がかからないモノは確実に朽ちる。
日本の国宝級のお寺だって、メンテをさぼっていたらとうの昔に朽ち果てているに違いない。
逆を言えば、簡単に朽ちてしまうものだって、丁寧にメンテをしてやれば長持ちする。
それは決して、最新技術を使って特殊な塗料を塗ったり、特殊な素材を使用する事ではなく、単に
気になったら掃除をする程度の事で十分である。
現に、お寺は毎日雑巾がけするだけで、あんなに見事な漆黒の床になるのである。
木の家は人に優しいというが、人がモノにあるいは建築に優しくしても良いような気がする。
建築が単なるメンテフリーでクレームレスな箱であったなら、建築家の必要性は少ない。
それだけ、建築家の必要性も世に問われているとも言えるのだろう。
そばの素材にこだわりが見えて、味もなかなかでした。
ただ、もう少し建築をきれいに使ってもらえたらよいなぁと感じました。